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医療政策会議報告書 (29 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/010622.html
出典情報 医療政策会議報告書 公表(4/20)《日本医師会》
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第 3 章:日本の医療政策、そのベクトルをパンデミックの渦中に考える

たわけだけれども、それを今後、そこの自由裁量

リ・ケアの研修・指導体制を確保する。

に任せていくことで果たして国民全体によい医療



が提供できるのだろうかということは、医師会は

医師個人に対するインセンティブのみならず、医

そのことについては非常に反対意見が多いわけで

師派遣要請に応じて医師を送り出す医療機関、認

すけれども、どうしても現実を直視すると、そう

定医師によって質の高いプライマリ・ケア等が提

いうところをどうやって国民の理解を得るため

供される医療機関等、認定制度の実効性を高める

に、医療従事者、特に医師がそのことをどういう

医療機関について、税制、補助金、診療報酬上の

ふうに自覚できるかということに今後非常に関

評価等の対応について検討し、必要な経済的イン

わってくるのだろうなと強く感じます。

センティブが得られる仕組みを構築すべきである。

2016 年の第 1 次中間とりまとめで示された課題の検討

そして、第 6 次中間とりまとめでは、次のようにまと

を経て、第 2 次中間とりまとめでは、次になる。

められている。

2017 年 12 月 21 日

2022 年 1 月 12 日

次の①から③までの対策については、今回の取り

診療科偏在の背景には、医師の専門分化が進んだ

まとめの内容を、より進めたものとすべきか否か

ことが一因として考えられる。疾患の治療に高い

について、更なる議論が必要である。

専門性が求められる領域への対応は今後も必要で

①‌専門研修における診療科ごとの都道府県別定員

ある一方、今後、偏在対策を進める上では、限ら

設定

れた医療資源において、幅広い地域のニーズに対

②‌認定医師に対する一定の医療機関の管理者とし

応できる総合的な診療能力を有する医師を育成す

ての評価

ることが重要である。

③‌無床診療所の開設に対する新たな制度上の枠組
みの導入

このあたりの医療従事者の需給に関する検討会・医師
需給分科会の認識は、医療政策会議の前期平成 30・令和

そして、今年の第 5 次中間とりまとめには、それまで

元年度報告書の「序章

の議論が引き継がれていった。

医療政策会議における共通基本

認識」にある次の見解に近い。

2022 年 1 月 12 日
第 2 次中間とりまとめにおいて将来に向けた課題

日本のプライマリ・ケアにおいて、日本の提供体

として整理した、①専門研修における診療科ごと

制の土台を支える最も重要な役割を担うかかりつ

の都道府県別定員設定、②医師少数区域経験認定

け医と、学問的な見地からの評価による総合診療

医師を管理者の要件とする医療機関の拡大、③無

医は、車の両輪として連携を保ちながら医療を提

床診療所の開設に対する新たな制度上の枠組みの

供していることを広く国民に理解してもらえるよ

導入等については、これまでの取組みの効果をみ

うに努めていくべきである。

るとともに、これらが及ぼす様々な影響等を考慮
したうえで、改めて検討されることを期待する。

今回のコロナ禍を経験して、経済同友会や財政制度等
審議会が、かかりつけ医の制度化を提案するようになっ

プライマリ・ケアや総合診療医についても、第 2 次中

たのは印象的であった。

間とりまとめでは、一歩踏み込んだ議論がなされる時代

医療を頻繁に利用する小児を持つ親、高齢者は、いわ

になっている。

ゆる「かかりつけ医」が誰かと問われれば、即座に答え

2016 年 6 月 3 日

ることができるであろう。

プライマリ・ケア等の地域医療を支える医学教育

今回の新型コロナウイルスは、日常の生活の中でさほ

を充実するとともに、医師の少ない地域に勤務を

ど医療を意識しないで過ごしていた人たちに、自分の健

行う医師に対する事前・派遣期間中のプライマ

康面での問題を自分で解決しなければならない負荷を与

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