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資料1-2-2診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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<診断基準>
1.主要項目
(1)理学所見
身体奇形、皮膚所見、心雑音、肝脾腫、角膜混濁、関節拘縮などに注意する。神経学的診察では知能、
眼底所見、眼球運動、筋萎縮、錐体路徴候、錐体外路徴候、小脳失調などに注意する。
(2)血液・生化学的検査所見
確定診断のためには疾患特異的な代謝異常を生化学的に証明する。蓄積物あるいは中間代謝産物の
増加を尿、細胞、組織中で確認する。末梢血リンパ球の空胞化、尿沈渣の異染性物質、骨髄中のゴーシェ
細胞や泡沫細胞(ニーマンピック細胞)、尿中オリゴ糖、ムコ多糖の分析などが診断の手がかりとなる。末梢
血リンパ球や培養皮膚線維芽細胞を用いて酵素活性を測定し、酵素欠損を証明する。酵素活性の測定に
は人工基質や界面活性剤が使われるため、活性化蛋白質欠損の場合には酵素活性の低下を証明できな
い。出生前診断については、羊水細胞または繊毛絨毛細胞を用いた酵素分析と遺伝子解析により可能で
ある。
各酵素遺伝子のクローニングがなされ、ライソゾーム病の遺伝子診断が可能である。ただし、発端者の遺
伝子診断には、その原因遺伝子全体を調べる必要がある。さらに、その遺伝子変異が未報告の場合、実際
に酵素機能障害を引き起こすこと、あるいは正常多型でないことを確認しなければならない。遺伝子変異が
同定されれば、同じ家系の保因者診断や出生前診断などは容易である。
(3)画像所見
頭部MRI検査が有用である。異染性白質ジストロフィーやクラッベ病では、大脳白質のT2、Flairでの延長
病変がび漫性あるいは錐体路に一致して検出される。ムコ多糖症では白質に散在性の点状T2延長病変が
みられることがある。
(4)鑑別診断
乳幼児期発症例では他の先天代謝異常症、先天奇形症候群などとの鑑別をする。成人発症例では脊髄
小脳変性症、運動ニューロン疾患、精神疾患との鑑別が問題になる。
(5)合併症
重症例での栄養障害、肺炎などの感染症、褥創などが問題となる。
(6)診断のカテゴリー
①酵素活性の著しい低下または病因蛋白の欠損/機能異常が、生化学的検査により、又は当該遺伝子
に病因となる変異が遺伝子検査により確認されること。なお、ファブリー病のようなX連鎖遺伝のヘテロ
接合体に関し、酵素活性低下が確認されず、遺伝子変異の同定が不明な場合は、家族歴(親、子、兄
弟)から確認すること。
②生検組織で蓄積物質が生化学的検査又は形態学的検査により確認されること。
③尿中で中間代謝産物の増加が生化学的検査により確認されること(ライソゾーム病の中でもゴーシェ病
のように、尿中に中間代謝産物が排出されない疾患もある)。
①を満たし、同疾患による症状を有する※と認められるものを指定難病の対象とする。この際、②③の所見
の有無を確定診断のための参考とする。
※ 別表 19ライソゾーム病、臨床調査個人票の主要所見、検査所見、遺伝学的検査、鑑別診断を参照のこ
と。

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