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資料1-2-2診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (33 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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4.治療法
対症療法は、基本的に、各臓器症状に応じて適切に行われる必要があり、患者の全身状態を改善させる
ために極めてきわめて重要である。糖尿病を合併した場合には、血糖降下剤やインシュリンの投与が必要
になる。てんかんを合併した場合には、抗てんかん剤の投与が必要になるであろう。また、心伝導障害に対
するペースメーカー移植や難聴に対する補聴器や人工内耳の使用をはじめ、極度の下痢や便秘、貧血や
汎血球減少症(Pearson 症候群)なども対症療法が重要である。
各臓器症状への対症療法は、それぞれの専門医へのコンサルトが必要になるであろう。
ミトコンドリア内の代謝経路では、各種のビタミンが補酵素として働いてはたらいており、その補充は理に
かなっている。実際は、水溶性ビタミン類(ナイアシン、B1、B2B1、B2、リポ酸など)が用いられる。コエンザ
イム Q10Q10 の効果は明らかではないが、使用することが多い。また、MELAS の卒中様症状の軽減と予防
を目的に L-アルギニンの臨床試験が行われたが、その結果は公表されていない。ミトコンドリア病患者の
治療薬として薬効を科学的に証明する臨床試験に至った薬剤は、我が国ではアルギニンが最初であり、今
後もこのような臨床試験を進めていくことが肝要であるまた MELAS の卒中様発作の軽減を目的に、タウリ
ン大量療法が令和 2 年 3 月に保険承認された。
5.予後
ミトコンドリア病の臨床経過は症例によって差が大きい。中心的な臓器(脳、心臓、腎臓など)の症状の程
度以外に、合併している他の臓器症状の多さや程度も大きく影響する。一般的な予後については、現状の
様子と経過をみながら判定することになる。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 24 令和元年度医療受給者証保持者数)
1,087452 人
2.発病の機構
不明(遺伝子異常関連する遺伝子が 200 個以上報告されているが発症機序は明確でない)
3.効果的な治療方法
なし(根治治療なし。未確立(対症療法のみである)
4.長期の療養
必要(多彩な臓器症状などあり。)
5.診断基準
あり(研究班作成の診断基準)
6.重症度分類
中等症以上を対象とする。
○ 情報提供元
「ミトコンドリア病、レット症候群の診断と治療に関する調査研究班」
研究代表者 国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第二部 部長 後藤 雄一
○ 付属資料

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