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資料1-2-2診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (57 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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下記に示すような脳内石灰化を来す二次的にきたす疾患が除外できる。
主なものとして、副甲状腺疾患(血清カルシウム、(Ca)、無機リン (Pi)、iPTH が異常値)、偽性副甲状
腺機能低下症(血清カルシウム Ca 低値)、偽性偽性副甲状腺機能低下症(Albright 骨異栄養症)、コ
ケイン((Cockayne)症候群、ミトコンドリア脳筋症ミトコンドリア病、エカルディ・グティエール(AicardiGoutières)症候群、ダウン(Down)症候群、膠原病、血管炎、感染(HIV 脳症など、 EB ウイルス感染
症など)、中毒・外傷・放射線治療などを除外する。
4.家族性特発性基底核石灰化症(FIBGC)
上記の1~3を満たし、下記のどちらかを認める場合、FIBGC に分類する。
4-1.家族例(家系内注1 iPTH: intact parathyroid hormone インタクト副甲状腺ホルモン
注2 小児例では、上記のような先天代謝異常症に伴う脳内石灰化である可能性も推測され、全ゲ
ノム解析などの遺伝子検索が望まれる。
4. 遺伝学的検査
これまでに複数の同様の患者が存在する)と判明した症例
4-2.報告されている IBGC の原因遺伝子は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式では SLC20A2、,

PDGFRB、, PDGFB などの原因遺伝子異常が判明した症例, XPR1、常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)形
式では MYORG, JAM2 があり、これらに変異を認めるもの。
注1 上記診断基準においては、初老期に前頭・側頭型の認知症をきたす DNTC との鑑別が困難である
が、確定診断は病理診断に基づくものであり、その原因遺伝子やバイオマーカーが確定しない現状にお
いては、分類が困難な症例も多く、あえて区別しない。ただし、DNTC 疑いありの注釈を添える。
注2 家族例においては、近年、約5割で、リン酸トランスポーターである PiT-2 を code する遺伝子

SLC20A2 の遺伝子異常が判明し、また PDGF の重要な ligand の1つである PDGF-B を code する遺伝
子 PDGFB の遺伝子変異も認められた。国際的には FIBGC は1~5型に分類されている。他疾患の除
外診断も考え、可能な限り、遺伝子検査が望まれる。
5.病理学的検査
病理学的に脳内に病的な石灰化を認め、DNTC を含む他の変性疾患、外傷、感染症、ミトコンドリア病
などの代謝性疾患などが除外できるもの。
注 1 DNTC: Diffuse neurofibrillary tangles with calcification (別名、小阪-柴山病) この疾患の確定診
断は病理学的診断であり、生前には臨床的に IBGC との鑑別に苦慮する。
<診断のカテゴリー>
Definite1: 1、2、3、4の全てを満たすもの。
Definite2: 1、2、3、5の全てを満たすもの。
Probable: 1、2、3の全てを満たすもの。
Possible: 1かつ2を満たすもの。

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