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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ● 4 循環器症状へのアプローチ

3.症状へのアプローチ
図 4-1

診療のフローチャート

ü 自覚症状
労作時呼吸困難,起坐呼吸,胸痛,動悸,倦怠感,四肢の浮腫や冷感,
失神など

かかりつけ医等受診
ü 身体所見
ラ音,頻脈,脈不整,過剰心音(Ⅲ音・Ⅳ音),頸静脈怒張,
下腿浮腫,週に2㎏以上の急激な体重増加など

異常所見
なし

ü 胸部単純写真
心胸郭比拡大,肺うっ血,胸水
ü 心電図
心筋障害を疑う所見(異常Q波,ST-T変化),不整脈(心室性不整
脈など),左室肥大所見など

経過観察(1~3カ月毎)
ü 自覚症状
ü 身体所見
ü 鑑別疾患から必要に応じた検査







異常所見
なし




異常所見あり
かつ
循環器疾患が
疑われる場合

かかりつけ医等で詳細な検査
もしくは
循環器専門医に紹介

検討すべき検査
採血(CPK,CPK-MB,トロポニンT,Dダイマーなど),
運動/薬剤負荷試験,心エコー図検査,CT・MRI検査,核
医学検査,心臓カテーテル検査,心筋生検など

*BNP(≧100 pg/mL)または
NT-proBNP (≧400 pg/mL)の場合,
循環器専門医による精査が望ましい
*失神がある場合はBNP・NT-proBNP値
問わず循環器専門医による精査が望ましい

鑑別すべき循環器疾患
虚血性心疾患,心不全,心筋炎・心膜炎,不整脈,血栓塞栓症など

4.フォローアップすべき所見・症状
循環器病の症状としては,労作時呼吸困難・起坐呼吸・胸痛・動悸・倦怠感・四肢の浮腫や冷感,
失神などがあげられる.症状を認める場合には,体重の変化や身体所見(頸静脈怒張,浮腫,
脈の不整など)の確認のうえ,聴診を行うことも有効である.また,身体所見上の異常を認め
る際には,胸部単純写真や心電図検査を行うことがすすめられる.
胸部単純写真では心胸郭比の確認の他,肺うっ血・胸水の所見を確認する.また,心電図検
査では,不整脈の所見の他,虚血や心筋障害を疑う所見はないかの確認が必要である.また,
何らかの異常所見が疑われる際には,血液検査で BNP の評価を行ったり,心エコー図検査で
心機能を評価することも有用と考えられる.

5.プライマリケアにおけるマネジメント
COVID-19 罹患に伴い,循環器病が合併する可能性についても考慮する. COVID-19 罹患
に伴う心筋障害の報告もあり,特に心筋炎については,急激に心機能が低下したり,致死性不
整脈が生じる可能性もあるため,緊急対応が必要となる可能性も考慮する.そのため,循環器
病の症状を認める COVID-19 罹患患者に対しては,循環器専門医に早めに相談することがす
すめられる.
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