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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (53 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ● 12 罹患後症状と産業医学的アプローチ

*一般的に,患者(労働者)から申出された配慮の実施は事業者が最終的に判断することとなる.
②③については事業者の判断によるところが大きいため,事業場とコミュニケーションをとる
際には留意する.

4)医学的問題以外は,相談窓口を紹介する
・ 就労・経済的な問題,労災・診断書等書類作成に関する相談などについて,病院の患者相談窓
口等を紹介し,多職種チームでの支援を行う.

3.具体的な事例
以下に具体的な COVID-19 罹患後の継続症状を抱える患者の職場復帰に関連した事例を取
り上げ,就労上の配慮の例と期間,主治医からの助言の例を示した.

事例 1)呼吸機能障害が継続する粉じん作業者の対応
A さん(産業廃棄物処理場勤務・現場作業者,男性,40 歳代)
COVID-19 罹患後に呼吸機能障害が継続していた.退院時の呼吸機能検査では軽度の閉塞
性換気障害が認められ,呼吸リハビリテーション治療を受け日常生活レベルまでは回復した.
職場内感染であったため,本人の求めに応じ職場と連携を取り労災申請書類の作成を行っ
た.職場復帰時に,職場では防じんマスクの着用が必要だったが,労作時の呼吸困難感が
続いていたことから防じんマスク着用での肉体労働を行う際の困難が予想された.本人の
外来受診時に職場の上司も同席し,労働時間を段階的に増やすこと(6 時間勤務からスター
ト),呼吸負荷の少ない電動ファン付き呼吸用保護具を利用すること,息切れなどが強い場
合に休憩しやすい環境を整備することで,職場復帰を果たすことができた.
○診断書記載病名例:#1新型コロナウイルス感染症罹患後,#2#1の罹患後症状とし
ての呼吸機能障害
<事例1の配慮の視点>
①患者の健康や安全を脅かす状況への配慮(呼吸機能障害のある患者の防じんマスク着用に
より,呼吸器負担が増加するため電動ファン付き呼吸用保護具着用への変更)
②環境調整や障壁の変更・除外をする配慮(労働時間を段階的に増やす,休憩環境の整備)

事例 2)人工呼吸器管理後の筋力低下が継続する販売員の対応
B さん(デパート勤務・販売員,女性,50 歳代)
COVID-19 重症度重症として人工呼吸器管理を受けた.入院中は歩行時のふらつき,倦怠
感が持続するなど,立ち仕事に戻ることに困難を生じた.退院後も呼吸及び下肢筋力リハ
ビリテーションを継続し,自分で散歩するなど筋力と体力の回復に努めた.自信がついた
段階で職場復帰することとなったが,倦怠感・易疲労感は続き,仕事はどの程度できるか
未知数であった.主治医が「人工呼吸器管理後に生じる筋力低下により長時間の立位作業
は負担が大きい可能性がある.当面は2時間に 1 回程度休憩をはさみながら徐々に作業時
間を延ばしていくような配慮を行うことが望まれる.6 カ月程度で本来業務が可能である
と現時点では考えられる」という意見書を作成し,配慮を受けながら職場復帰を果たした.
○診断書記載病名例:#1新型コロナウイルス感染症罹患後(人工呼吸器管理有)

#2#1の入院加療に伴う廃用性下肢筋力低下,#3集中治療後症候群の疑い(経過観察中)
<事例2の配慮の視点>
②環境調整や能力を発揮するための障壁の変更・除外をする配慮(復帰前の自力でのリハビ
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