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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ●1 罹患後症状



罹患後症状

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2019 年 12 月に中国・武漢で原因不明の肺

炎として報告されて以降,日本を含む全世界に感染が拡大している状況である.この経過のな
かで COVID-19 に対する多くの知見が全世界で集積され,感染対策や診断・治療・予防法が確
立されつつある.そのようななか,新たな課題として COVID-19 に罹患した一部の患者にさ
まざまな
「罹患後症状」
を認めることがわかってきた.これらは post COVID-19 condition
(s),
long COVID,post-acute COVID-19,long-haul COVID などといわれているが,その病態
についてもいまだ不明な点が多い.
医療従事者は,この「罹患後症状」についての概念を知り,最新の疫学情報を鑑みながら患
者の診療に当たり,場合によっては長期的に支えていかなければならない.そこで本章では,
これまでに分かっている,この状態の概念,代表的な症状の種類,頻度,持続期間,病態機序,
今後の課題について概説する.

1.「罹患後症状」とは
罹患後症状は persistent symptoms や lingering symptoms とも呼ばれ,COVID-19 罹患後,感
染性は消失したにもかかわらず,他に明らかな原因がなく,急性期から持続する症状や,あ
るいは経過の途中から新たに,または再び生じて持続する症状全般をいう.罹患後症状が
永続するかは不明である.この罹患後症状が存在する状態(condition)は先述の通り post
COVID-19 condition や long COVID と呼ばれている.

2.代表的な罹患後症状
罹患後症状は海外から多くの大規模調査研究の結果が報告され,日本においても,厚生労働
科学特別研究で3つの調査が行われるなど,研究が進められている.これらの報告などから代
表的な罹患後症状を図 1-1 に示す.
図 1-1

代表的な罹患後症状

●疲労感・倦怠感
●咳

●喀痰

●関節痛
●息切れ

●記憶障害

●集中力低下

●嗅覚障害

●味覚障害

●筋肉痛
●胸痛
●不眠

●動悸

●脱毛
●頭痛
●下痢

6

●抑うつ
●腹痛

●睡眠障害

●筋力低下