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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ● 12 罹患後症状と産業医学的アプローチ

リテーション期間についても療養継続期間とした)
③罹患後症状によって本来業務を行う能力が損なわれた場合の配慮(長期入院で下肢筋力が
低下し,長時間の立位作業が困難な状況に対し,段階的復帰を可とした)

事例 3)味覚障害が続く調理人の対応
C さん(大手レストラン勤務・厨房担当者,男性,30 歳代)
COVID-19 重症度中等症の罹患後に職場復帰するが味覚障害は残っていた.徐々に改善し
ていたものの,お客さんに提供する食事の味付けに支障を感じていた.相談を受けた主治医
は,
「COVID-19 による味覚異常が継続しています.3 カ月程度は,調理の味付けに影響
が出ることが考えられるため,味覚異常が継続している間はほかの業務(配膳・レジ対応な
ど)に配置することも含めて必要な配慮を検討してください」という意見書を作成した.
これにより C さんは,味覚障害が継続していた期間は,セントラルキッチンにおいて工場
で加工された食材の盛り付けが主たる業務となるよう,職場からの配慮を受けることができた.
○診断書記載病名例:#1新型コロナウイルス感染症(感染後 10 日以上経過)
,#2#1
による続発性味覚障害
<事例 3 の配慮の視点>
③罹患後症状によって本来業務を行う能力が損なわれた場合の配慮(味覚障害により調理人
としての作業が困難であり,一時的に業務内容を変更した)

事例 4)ブレインフォグが続く看護師の対応
D さん(病院勤務・新人看護師,女性)

入職後 3 カ月目に COVID-19 に感染.強い倦怠感,頭重感,考えのまとまらなさ,注意
力低下があった.睡眠障害(中途覚醒)も出現していたが,日常生活リズムを取り戻した
ため職場復帰した.復帰当初は,単純作業は問題なくできていたが,休職前に習得した手
技もメモをいくら確認してもうまく覚えられなかったり,重症患者など管理指示が多い患
者や二人以上の受け持ち等でマルチタスクとなると,頭が真っ白になり,業務にならなかっ
た.産業医に相談したところ,主治医から意見書をもらうように指導があり,D さんは主
治医に相談した.
「COVID-19 罹患後のブレインフォグと呼ばれる精神神経症状を認め
ます.倦怠感や頭重感,注意力低下などの症状があるので,複雑な作業は一時的に回避し,
定型化された作業等に配置することが望まれます.定期的なフォローアップが必要となる
ので,産業医と連携して適切な業務内容や職場での配慮について適宜検討を行います」と
いう主治医からの意見書を職場に提出し,D さんは職場での配慮を得られた.
○診断書記載病名例:#1新型コロナウイルス感染症罹患後,#2#1による注意力・集中
力低下(いわゆるブレインフォグ,頭に霧がかかった感じ)の疑い,#3#1による記銘
力低下などの認知機能障害の疑い
<事例4の配慮の視点>
②環境調整や能力を発揮するための障壁の変更・除外をする配慮(罹患後のブレインフォグ
の症状による本来業務遂行能力低下に関し,作業タスクの難易度を下げてはどうかと提案)
③本来業務を行う能力が損なわれた場合の配慮(有資格者の高度の知識や技能の低下は,一
時的なものであるとの医師からの意見書により,就業上の配慮が可能)

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