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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ● 6 神経症状へのアプローチ

3.症状へのアプローチ
さまざまな神経症状に対して,どのような検査をすべきかは定まっていない.スクリーニン
グとして行うべき病歴聴取,診察内容,検査を各医師で決めておくと漏れなく診療ができる.
たとえば表 6-1 にある項目の有無をすべて確認し,同時にコロナ感染確定日,感染の重症度,
人工呼吸器使用の有無,酸素投与の有無,自宅療養・ホテル療養・入院,ワクチン接種日,ワ
クチンの種類といった情報も確認する.大まかな診療の流れをフローチャート(図 6-1)に示
した.ただし,フローチャートに従わなくても,患者の状態に疑問がある場合,患者の納得が
得られない場合は,早めに当該分野の専門医へ紹介をする.
表 6-1 COVID-19 罹患後に遷延する(あるいは COVID-19 改善後に出現する)症状
一般的な症候

精神・神経症候

・呼吸困難,息切れ
・疲れやすい,疲労感・倦怠感
・活動後の症状の悪化
・発熱
・咳嗽
・胸痛,胃痛
・皮疹
・動悸
・生理周期の障害
・脱毛
・関節痛

・思考の低下,集中力低下(brain fog)
・頭痛
・刺されるような痛み
・睡眠障害
・立位時のめまい(POTS)
・気分変調
・嗅覚・味覚障害
・筋痛
・疲労感・倦怠感
・運動緩慢
・感覚障害

図 6-1 診療のフローチャート

プライマリケア医
患者受診
病歴聴取(表1)

一般身体所見
神経学的所見
臥位と立位の血圧測定
・検尿
・採血
(末梢血, Dダイマー,
甲状腺, 血沈など)
・オプション
(亜鉛, フェリチン,自己
抗体など)
・胸部単純写真
・心電図

・自覚症状が軽い
・他覚的異常所見がない,
あっても軽微
・検査で異常がない
・改善がみられている
・自覚症状が強い
・他覚的異常所見が明瞭
・検査で異常がある
・改善がみられない

・概ね改善
または
・遷延症状はあるが
日常生活可能

経過観察

・不変/悪化
または
・専門医での診察を
要する疾患が疑わ
れる場合

・専門医での検査
で異常所見がな
い場合

専門医
・頭部MRI
・脳波
・睡眠検査
・脳脊髄液
・神経伝導速度,
筋電図
・心理検査など

23

寛解

寛解

治癒