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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第1版 ● 5 嗅覚・味覚症状へのアプローチ

これらの症状は嗅覚障害の発生と有意な相関を示した.2022 年の英国の調査では,咽頭痛が
53 %出現したのに対して嗅覚・味覚障害は 13 %と逆転した.
COVID-19 における嗅覚・味覚障害のもう一つの特徴は,発症当時は高度の障害であるにも
関わらず,数週で多くの症例が改善することである.英国の調査では,嗅覚障害患者のうち,
発症直後には 86.4%が嗅覚脱失を,12 %が重度の嗅覚低下を示したのに対し,1 週間後の調
査では 80%が改善を示し,12 %は嗅覚正常と回答した.三輪班の調査においても発症直後の
最悪の時点では 62%の患者が嗅覚脱失であったが,調査時(発症後平均 8.9 日)では嗅覚脱
失者は 30%にまで減少していた.また,MRI を用いた研究では,発症早期には,嗅粘膜の存
在する嗅裂部の浮腫による閉塞が多くの症例でみられるのに対し,1カ月後の同一症例での撮
影では嗅裂閉塞を認める症例が減少していることが報告されている.
一方,発症後数カ月にわたり改善しない症例も少なからず認められる.厚生労働科学特別研
究事業福永班の中間報告によると,6カ月後に嗅覚・味覚障害を認める例はそれぞれ7%,9%
であった.三輪班の追跡調査でもそれぞれ 12 %,6 %に障害の残存があり,嗅覚障害が 6 カ
月以上遷延した症例の 74 %に異嗅症を認めた.

3.症状へのアプローチ
図 5-1

診療のフローチャート

嗅覚障害
その他の神経症状
発症2週間経過観察

あり

脳MRI
脳神経内科紹介

なし

耳鼻咽喉科紹介
異常なし

診察・嗅覚検査

経過観察

異常あり

異常あり

鼻内視鏡・CT

鼻副鼻腔炎・嗅裂炎

異常なし

嗅神経性嗅覚障害

ECRS:ステロイド・ESS・生物学的製剤
NECRS:マクロライド少量長期・ESS
急性副鼻腔炎:抗菌薬
『嗅覚障害ガイドライン』を参照

『嗅覚障害ガイドライン』を参照

ECRS:好酸球性副鼻腔炎,NECRS:非好酸球性副鼻腔炎,ESS:内視鏡下副鼻腔手術

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