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【別添】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版) (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」の周知について(4/28付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き
別冊
罹患後症状のマネジメント・第1版 ●1 罹患後症状
3.罹患後症状の頻度・持続期間
頻度についての海外での 45 の報告(計 9,751 例)の系統的レビューでは,COVID-19 の
診断 / 発症 / 入院後 2 カ月あるいは退院 / 回復後 1 カ月を経過した患者では,72.5 %が何ら
かの症状を訴えていた.最も多いのは倦怠感(40 %)で,息切れ(36 %)
,嗅覚障害(24
%),不安(22 %),咳(17 %),味覚障害(16 %)
,抑うつ(15 %)であった.また英国
の約 51 万人の地域住民調査(REACT-2 試験)では,
有症状の COVID-19 罹患者約 7 万 6,000
人のうち,12 週間以上遷延する何らかの症状を認めた患者は 37.7 % であった(ただし,そ
の後の約 10 万人の地域住民の検討では 21.6 % に減少した)
.さらに別の海外の 57 の報告(計
約 25 万例)の系統的レビューでは,診断あるいは退院後 6 カ月かそれ以上で何らかの症状を
有するのは,54 %と報告されている.
わが国の報告としては COVID-19 と診断され入院歴のある患者 525 例の追跡調査がある.
この研究では図 1-1 に示した症状の頻度について,急性期(診断後~退院まで)
,診断後 3 カ月,
6 カ月で検討されている.男性 323 例(61.5 %)
,女性 199 例(37.9 %)
,性別不明 3 名で,
男女比は国内の既報とほぼ同一であり,本邦における COVID-19 入院患者を反映していると
考えられる.結果は図 1-2 の通りで,疲労感・倦怠感,息苦しさ,睡眠障害,思考力・集中力
低下は,診断 6 カ月後に罹患者全体(n = 246)の 10 %以上に罹患後症状として認めたものの,
一方で多くの罹患者は症状が改善していた.また罹患後症状は 1 つでも存在すると健康に関連
した QOL は低下し,不安や抑うつ,COVID-19 に対する恐怖は増強し,睡眠障害も増悪した.
診断後〜退院まで (n = 525)
78
診断後6ヵ⽉ (n = 246)
1712
10
脱
⽑
3 3
下
痢
痛
下
筋
⾁
の
低
害
23
思
考
⼒
・
集
中
⼒
障
下
痛
26
26
24
10 11
1011
6 5
10 9
4 3
咽
頭
痛
関
節
痛
5 7
27
睡
眠
9 9
7 5
29
低
29
筋
⼒
35
頭
害
障
害
さ
35
10 7
9 9
覚
障
味
咳
苦
し
息
感
感
・
1513
8 7
37
嗅
覚
2121
6 5
38
痰
43
以
上
度
57
疲
労
(
37
熱
診断後3ヵ⽉ (n = 484)
61
倦
怠
100
80
60
40
20
0
入院中の 15% 以上の患者に認めた罹患後症状の推移
)
割合 (%)
図 1-2
(令和2年度厚生労働科学特別研究事業福永班中間報告)
さらに世代別の検討では,40 歳以下,41 ~ 64 歳,65 歳以上の各世代で,罹患後症状に大
きな差は認めなかったが,
65 歳以上の高齢者では,
嗅覚・味覚障害の頻度が低かった
(未発表デー
タ).また,筋力低下や息苦しさは,肺炎を合併した,より重症の罹患者で認める傾向のため,
より重症患者の割合が高い 41 ~ 64 歳,および 65 歳以上で多く認めたと考えられる.
海外では,高齢,肥満,女性で罹患後症状がみられやすいという報告がある.
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別冊
罹患後症状のマネジメント・第1版 ●1 罹患後症状
3.罹患後症状の頻度・持続期間
頻度についての海外での 45 の報告(計 9,751 例)の系統的レビューでは,COVID-19 の
診断 / 発症 / 入院後 2 カ月あるいは退院 / 回復後 1 カ月を経過した患者では,72.5 %が何ら
かの症状を訴えていた.最も多いのは倦怠感(40 %)で,息切れ(36 %)
,嗅覚障害(24
%),不安(22 %),咳(17 %),味覚障害(16 %)
,抑うつ(15 %)であった.また英国
の約 51 万人の地域住民調査(REACT-2 試験)では,
有症状の COVID-19 罹患者約 7 万 6,000
人のうち,12 週間以上遷延する何らかの症状を認めた患者は 37.7 % であった(ただし,そ
の後の約 10 万人の地域住民の検討では 21.6 % に減少した)
.さらに別の海外の 57 の報告(計
約 25 万例)の系統的レビューでは,診断あるいは退院後 6 カ月かそれ以上で何らかの症状を
有するのは,54 %と報告されている.
わが国の報告としては COVID-19 と診断され入院歴のある患者 525 例の追跡調査がある.
この研究では図 1-1 に示した症状の頻度について,急性期(診断後~退院まで)
,診断後 3 カ月,
6 カ月で検討されている.男性 323 例(61.5 %)
,女性 199 例(37.9 %)
,性別不明 3 名で,
男女比は国内の既報とほぼ同一であり,本邦における COVID-19 入院患者を反映していると
考えられる.結果は図 1-2 の通りで,疲労感・倦怠感,息苦しさ,睡眠障害,思考力・集中力
低下は,診断 6 カ月後に罹患者全体(n = 246)の 10 %以上に罹患後症状として認めたものの,
一方で多くの罹患者は症状が改善していた.また罹患後症状は 1 つでも存在すると健康に関連
した QOL は低下し,不安や抑うつ,COVID-19 に対する恐怖は増強し,睡眠障害も増悪した.
診断後〜退院まで (n = 525)
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診断後6ヵ⽉ (n = 246)
1712
10
脱
⽑
3 3
下
痢
痛
下
筋
⾁
の
低
害
23
思
考
⼒
・
集
中
⼒
障
下
痛
26
26
24
10 11
1011
6 5
10 9
4 3
咽
頭
痛
関
節
痛
5 7
27
睡
眠
9 9
7 5
29
低
29
筋
⼒
35
頭
害
障
害
さ
35
10 7
9 9
覚
障
味
咳
苦
し
息
感
感
・
1513
8 7
37
嗅
覚
2121
6 5
38
痰
43
以
上
度
57
疲
労
(
37
熱
診断後3ヵ⽉ (n = 484)
61
倦
怠
100
80
60
40
20
0
入院中の 15% 以上の患者に認めた罹患後症状の推移
)
割合 (%)
図 1-2
(令和2年度厚生労働科学特別研究事業福永班中間報告)
さらに世代別の検討では,40 歳以下,41 ~ 64 歳,65 歳以上の各世代で,罹患後症状に大
きな差は認めなかったが,
65 歳以上の高齢者では,
嗅覚・味覚障害の頻度が低かった
(未発表デー
タ).また,筋力低下や息苦しさは,肺炎を合併した,より重症の罹患者で認める傾向のため,
より重症患者の割合が高い 41 ~ 64 歳,および 65 歳以上で多く認めたと考えられる.
海外では,高齢,肥満,女性で罹患後症状がみられやすいという報告がある.
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