●新型コロナウイルス感染症（COVID-19） 診療の手引き

別冊

罹患後症状のマネジメント・第１版 ● 11 罹患後症状に対するリハビリテーション

ウントダウン，詩の朗読など）を同時に行う運動認知トレーニングによる運動機能，認知機能，
不安・うつ症状などの改善が報告されている．疲労感・倦怠感に対する対応など，その他ガイ
ドラインなどで言及されている介入の多くはエキスパートオピニオンや関連する疾患の治療に
おける知見に基づくもので，現時点では直接サポートするエビデンスには乏しい．

3．症状へのアプローチ
図 11-1 診療のフローチャート

運動耐容能の低下
疲労感・倦怠感
呼吸機能低下

筋力低下

あり

運動後酸素化低下，心不全症状などリスク因子の存在
なし

なし
労作後の症状悪化

リスク評価
必要に応じて専門施設へ

あり

なし
呼吸練習
（腹式呼吸など）
筋力増強練習
有酸素運動

日常の活動量の調整
環境調整
（補装具，福祉用具など）
症状に合わせた運動療法

運動療法の中止
日常の活動量の調整

日常の活動量の調整
環境調整（補装具，福祉用具など）

環境調整（補装具，福祉用具など）

リスク管理下でのリハビリテーション

必要に応じて専門施設へ

［症状に応じて呼吸器，循環器，リハ
ビリテーション専門医・専門職など
との連携］

4．フォローアップすべき所見・症状
罹患後症状に対するリハビリテーションの実施においては，労作後の症状悪化がみられる頻
度が高いことについて注意喚起がなされている．労作後の症状悪化は典型的には労作後 12 ～
48 時間後までに起きる罹患後症状の増悪で，これがみられる場合には運動療法の実施は避け，
日々の活動量の調整や支援機器の利用などの環境因子の活用により負荷を減らすとともに，活
動の優先順位をつける，トリガーとなる活動を避ける，十分な休息をとるといった自己管理方
法の策定・指導を行うことが推奨されている．
また，運動中，運動後の酸素化の低下や心機能低下を伴う場合には，専門家と連携し，介入
を実施するタイミングやその量について注意深い調整が必要である．

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