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別紙1○1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000203222_00023.html
出典情報 患者申出療養評価会議(第38回 3/17)《厚生労働省》
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患者申出療養評価会議事務局からの確認事項に対する回答

患者申出療養技術名:胸部悪性腫瘍に対する経皮的凍結融解壊死療法の有効性・安全性
に関する研究

令和 5 年 3 月 3 日
所属・慶應義塾大学病院 呼吸器外科
氏名:朝倉

啓介

1.治験・拡大治験や先進医療といった他の制度で本技術が実施できない理由について説明してくだ
さい。
【回答】
凍結融解壊死療法で使用する機器(Visual-ICE)については、同一技術の類似製品(CryoHit)が「医療
ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」にて早期導入品目として選定されており、両機
器の製造販売業者であるボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社(以下ボストン社)が、日本イン
ターベンショナルラジオロジー学会と連携し、海外における Visual-ICE の治験成績、当院における他社
製品(CryoCare)による治療成績等をもとに作成した臨床評価報告書を使った適応拡大の薬事申請を準
備中とのことです。今後 PMDA と対面助言を実施し、2023 年中に薬事承認申請を目指していると伺って
おります。当院では、過去に CryoCare を用いた凍結融解壊死療法を受けた患者が複数存在し、現在
本申出療養を希望している患者もそのうちの一人となっています。また、対象疾患の病態進行速度も比
較的遅く今後も本療法の施行を希望する患者が複数出てくる可能性が高いことから、Visual-ICE の適
応拡大承認までの間、標準治療の適応ができない患者さんを救済する意味で患者申出療養での実施と
いたしました。なお、今後、ボストン社が実施予定のPMDAの臨床試験要否相談にて臨床試験が必要と
判断された場合は、治験等の計画が立案され実施可能となった段階で、本患者申出療養を取り下げま
す。
2. 本研究で用いる Visual-ICE(Boston Scientific 社)の安全性を説明ください。
【回答】
Visual-ICE(Boston Scientific 社)による肺腫瘍に対する凍結融解壊死療法の安全性データとしては、
欧米での多施設共同前向き研究 ECLIPSE 試験(文献 1)と SOLSTICE 試験(文献 2)の結果が参考とな
ります。ECLIPSE 試験(治療数 48 件)では、Grade3 の有害事象を 6%に認めましたが、Grade4 以上の有
害事象は認めませんでした。また、胸腔ドレーン留置を要する気胸を 18.8%に認めましたが、胸腔ドレー
ンは全例で 2 日以内に抜去されました。SOLSTICE 試験(治療数 169 件)では、Grade 3 の有害事象を
4.7%(気胸 8 件、血胸 1 件、低酸素血症 1 件)に認め、Grade4 の有害事象を 0.6%(空気塞栓 1 件)に認
めました。胸腔ドレナージを要する気胸は 23%に認めました。これらの安全性データは、手術や放射線治
療など他の局所治療と比較して、遜色のないものと考えています。
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