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別紙1○1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000203222_00023.html |
出典情報 | 患者申出療養評価会議(第38回 3/17)《厚生労働省》 |
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当院では、凍結装置 CryoCare(Endocare 社)を用いて、2002~2016 年に 366 件の肺腫瘍に対する
凍結融解壊死療法を行ってきました。また、その安全性を 2022 年に報告しました(文献 3)。CryoCare
による凍結融解壊死療法 366 件においては、Grade 3 の有害事象を 1.4%に認め、Grade4 以上の有害
事象は認めませんでした。60 日死亡を 0.5%に認め、死亡例の死因はいずれも間質性肺炎の急性増悪
でした。最も頻度の高い有害事象は気胸で、胸腔ドレナージを要する気胸を 17.5%に認めました。今回の
患者申出療養には、この 366 件の治療全てを施行した IVR 医が術者として参加します。使用機器は異
なりますが、「肺腫瘍に凍結ニードルを穿刺して、3 回の凍結融解を繰り返して腫瘍を壊死させる」という
凍結融解壊死療法の手技は Visual-ICE と共通したものであり、CryoCare を用いた凍結融解壊死療法
の豊富な施行実績は、Visual-ICE を用いた凍結融解壊死療法の手技上の安全性に寄与すると考えて
います。また、気胸等の有害事象の病態は共通であり、それらの予防あるいは発生後の治療について
の経験・知見も役立つものであると考えています。
当院では 2021 年 3 月に Visual-ICE を導入し、2022 年 12 月までに 12 件の腎癌に対する治療実績
を有します。医療機器としての Visual-ICE の取り扱いについては、IVR 医および臨床工学技士等を含め
た医療チームとして十分に習熟しています。
1)
de Baere T, Tselikas L, Woodrum D, Abtin F, Littrup P, Deschamps F, Suh R, Aoun HD, Callstrom
M. Evaluating Cryoablation of Metastatic Lung Tumors in Patients--Safety and Efficacy: The
ECLIPSE Trial--Interim Analysis at 1 Year. J Thorac Oncol. 2015 Oct;10(10):1468-74.
2)
Callstrom MR, Woodrum DA, Nichols FC, Palussiere J, Buy X, Suh RD, Abtin FG, Pua BB, Madoff
DC, Bagla SL, Papadouris DC, Fernando HC, Dupuy DE, Healey TT, Moore WH, Bilfinger TV,
Solomon SB, Yarmohammadi H, Krebs HJ, Fulp CJ, Hakime A, Tselikas L, de Baere T. Multicenter
Study of Metastatic Lung Tumors Targeted by Interventional Cryoablation Evaluation (SOLSTICE).
J Thorac Oncol. 2020 Jul;15(7):1200-1209.
3)
Kaseda K, Asakura K, Nishida R, Okubo Y, Masai K, Hishida T, Inoue M, Yashiro H, Nakatsuka S,
Jinzaki M, Asamura H. Feasibility and safety of percutaneous cryoablation under local anesthesia
for the treatment of malignant lung tumors: a retrospective cohort study. J Thorac Dis.
2022;14(11):4297-4308.
3.凍結装置 CryoCare(Endocare 社)ではなく、Visual-ICE(Boston Scientific 社)を用いた理由につい
て説明ください。
【回答】
以前当院で用いていた CryoCare(Endocare 社)は、薬機法上未承認の機器であり、機器製造販売業
者によるメンテナンス対応も現在不可となっています。現在、本邦で承認を受けている冷凍手術器として
は、Visual-ICE(Boston Scientific 社)と同機器の旧型機である Cryohit(Boston Scientific 社)があります
が、後者は製造が終了しておりメンテナンス対応も近い将来困難になります。以上の理由から、本患者
申出療養に当たっては Visual-ICE を使用することといたしました。
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凍結融解壊死療法を行ってきました。また、その安全性を 2022 年に報告しました(文献 3)。CryoCare
による凍結融解壊死療法 366 件においては、Grade 3 の有害事象を 1.4%に認め、Grade4 以上の有害
事象は認めませんでした。60 日死亡を 0.5%に認め、死亡例の死因はいずれも間質性肺炎の急性増悪
でした。最も頻度の高い有害事象は気胸で、胸腔ドレナージを要する気胸を 17.5%に認めました。今回の
患者申出療養には、この 366 件の治療全てを施行した IVR 医が術者として参加します。使用機器は異
なりますが、「肺腫瘍に凍結ニードルを穿刺して、3 回の凍結融解を繰り返して腫瘍を壊死させる」という
凍結融解壊死療法の手技は Visual-ICE と共通したものであり、CryoCare を用いた凍結融解壊死療法
の豊富な施行実績は、Visual-ICE を用いた凍結融解壊死療法の手技上の安全性に寄与すると考えて
います。また、気胸等の有害事象の病態は共通であり、それらの予防あるいは発生後の治療について
の経験・知見も役立つものであると考えています。
当院では 2021 年 3 月に Visual-ICE を導入し、2022 年 12 月までに 12 件の腎癌に対する治療実績
を有します。医療機器としての Visual-ICE の取り扱いについては、IVR 医および臨床工学技士等を含め
た医療チームとして十分に習熟しています。
1)
de Baere T, Tselikas L, Woodrum D, Abtin F, Littrup P, Deschamps F, Suh R, Aoun HD, Callstrom
M. Evaluating Cryoablation of Metastatic Lung Tumors in Patients--Safety and Efficacy: The
ECLIPSE Trial--Interim Analysis at 1 Year. J Thorac Oncol. 2015 Oct;10(10):1468-74.
2)
Callstrom MR, Woodrum DA, Nichols FC, Palussiere J, Buy X, Suh RD, Abtin FG, Pua BB, Madoff
DC, Bagla SL, Papadouris DC, Fernando HC, Dupuy DE, Healey TT, Moore WH, Bilfinger TV,
Solomon SB, Yarmohammadi H, Krebs HJ, Fulp CJ, Hakime A, Tselikas L, de Baere T. Multicenter
Study of Metastatic Lung Tumors Targeted by Interventional Cryoablation Evaluation (SOLSTICE).
J Thorac Oncol. 2020 Jul;15(7):1200-1209.
3)
Kaseda K, Asakura K, Nishida R, Okubo Y, Masai K, Hishida T, Inoue M, Yashiro H, Nakatsuka S,
Jinzaki M, Asamura H. Feasibility and safety of percutaneous cryoablation under local anesthesia
for the treatment of malignant lung tumors: a retrospective cohort study. J Thorac Dis.
2022;14(11):4297-4308.
3.凍結装置 CryoCare(Endocare 社)ではなく、Visual-ICE(Boston Scientific 社)を用いた理由につい
て説明ください。
【回答】
以前当院で用いていた CryoCare(Endocare 社)は、薬機法上未承認の機器であり、機器製造販売業
者によるメンテナンス対応も現在不可となっています。現在、本邦で承認を受けている冷凍手術器として
は、Visual-ICE(Boston Scientific 社)と同機器の旧型機である Cryohit(Boston Scientific 社)があります
が、後者は製造が終了しておりメンテナンス対応も近い将来困難になります。以上の理由から、本患者
申出療養に当たっては Visual-ICE を使用することといたしました。
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