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資料1-2 早期導入を要望する医療機器等に関する要望書【No.2022-1】 (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34023.html
出典情報 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会(第36回 7/7)《厚生労働省》
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(別添様式1)

2-4.

国内の承認内容

承認年月日
承認番号
製造販売業者
承認されている適
応の内容

(要望品目の添付文書等に記載されている「使用目的又は効果」の内容
を転記してください。


3.要望品目の対象疾患に関する情報
3-1.

対象疾患の概要

不整脈には、持続性心室頻拍や心室細動など生命を脅かす頻脈性の心室性不整脈が含まれる。関
連する死亡数は、令和 2 年の人口動態調査によると 1)、1 位は悪性新生物 37 万 8356 人、2 位は心疾
患(高血圧を除く)20 万 5518 人となっており、心疾患のうち特に関連すると考えられる不整脈及び伝
導障害による死亡数は 30,986 人であった。また不整脈の発生原因及び合併している疾病の死亡数
は、心不全 84,068 人、急性心筋梗塞 30,254 人、その他の虚血性心疾患 36,738 人、その他の心疾患
5,749 人となっていた。不整脈は心不全の原因及び進行に伴い発生頻度が増加する傾向にあり、心室
性不整脈のうち非持続性心室頻拍は、心不全患者の 40%以上に合併するなど重要な予後規定因子と
なっている 2)。実際、心不全患者の死因の 1/3 以上は心臓突然死で、その殆どは心室頻拍又は心室細
動が原因とされている 2)。多くの治療ガイドライン、マネジメント方法が報告されているが、その早
期診断確立ができておらず、心臓突然死を回避するに至っていない 9-19)。ARIC Study 2012 はベース
ライン時に心不全及び冠動脈疾患のないコホート集団データで心室期外収縮(VPC)と心不全の発生
率の検討を行い、VPC の存在が心不全の発症と関連していることを示した 3)。ARIC Study 2017 で
は、4,810 万回の入院を経験した 1,680 万人の患者の内、
35,817 人(0.2%)が VPC の診断を受け、
198,818
人(1.2%)が収縮期心不全を発症し、VPC が特発性心不全の重要な原因であることを示唆しているこ
とを報告した 4)。Kim らは、韓国の国民健康保険サービスデータを用い同様の報告をしている 5)。さ
らに、Cardiovascular Health Study への参加者 1,139 人の心不全発症と死亡を追跡調査した Dukes ら
は、PVC の頻度、LVEF(左室駆出率)低下との関連性を示唆していることを報告している 6)。
致死性不整脈と同時に脳卒中もまたマネジメントが必要とされる。発作性心房細動を有する成人
1,965 人を対象とした KP RHYTHM Study によると、ATRIA 脳卒中及び CHA2DS2-VASc 脳卒中リ
スクスコアで調整し比較した時、図 1 に示した通り、AF バーデンの頻度によって血栓塞栓症発生
リスクを増加させていた 7)。特に、心房細動(AF)と診断されずに管理されていない場合、脳卒中
リスクは 5 倍増加するといわれているだけでなく 8)、その他の心臓関連の合併症を引き起こす原因
とされ、特に近年心不全との関連性について報告されている 20-22)。
上記の如く、我が国の高齢化に伴い循環器病疾患が重点課題とされ、心疾患による死亡率は高く、
不整脈はその原因疾患の中心に位置づけられる。不整脈に対する薬物治療及び非薬物治療による十
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