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資料1-2 調査結果報告書 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24579.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和3年度第31回 3/22)《厚生労働省》 |
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例 20 件認められ(
「低血糖」7 件、
「高血糖」4 件、
「低血糖昏睡」及び「2 型糖尿病」各 2
件、
「糖尿病」
、
「コントロール不良の糖尿病」
、
「糖尿病性昏睡」
、
「糖尿病性高浸透圧性昏睡」
及び「糖尿病性高浸透圧性非ケトン性症候群」各 1 件)
、うち、報告医師又はヒューマトロ
ープの承認取得者、若しくは両者が因果関係は否定できないと判断した事象は、
「高血糖」
及び「2 型糖尿病」各 2 例 2 件であった。
本調査には糖尿病を合併していた日本人患者が 11 例含まれており、当該 11 例において、
転帰死亡の副作用及び重篤な糖代謝関連の副作用 25 は認められなかった。
7. 調査の結果を踏まえた機構の判断について
7.1 糖尿病の患者への投与の可否について
機構は、以下の理由から、ソマトロピン製剤について、糖尿病の患者を「禁忌」の項から
削除して差し支えないと判断した。
いずれのソマトロピン製剤も初回承認時から糖尿病患者への投与は禁忌とされている
が、最初にソマトロピン製剤が承認された 1988 年には、糖尿病の治療薬は限られてい
た(一部のインスリン製剤、スルホニル尿素薬、ビグアナイド系薬剤及びメゾシュウ酸
カルシウム26のみが本邦で承認されていた(最新内科学大系 7 代謝疾患 2(糖尿病)
中山書店; 1995 等)
)ものの、1988 年と比較して現在では糖尿病の治療選択肢が増えて
おり(糖尿病治療ガイド 2020-2021 日本糖尿病学会編)、糖尿病を適切にコントロール
できる患者が増加したと考えられること。一方で、AGHD 等のソマトロピン製剤の適
応症に対しては、GH 治療以外に治療選択肢がないこと。
海外(米国、EU、カナダ及びオーストラリア)添付文書、海外の診療ガイドライン(日
本内分泌学会が参加している GRS コンセンサスガイドラインを含む)
、及び海外の標
準的な教科書では、ソマトロピン製剤の糖尿病患者への投与は禁忌とされておらず、慎
重に投与することとされていること。
国内副作用症例において、糖尿病患者へのソマトロピン製剤の投与後に糖代謝関連の
重篤な副作用が認められたが、ソマトロピン製剤の休薬や糖尿病用薬の開始等により
適切にコントロールできている症例が報告されていること。また、糖尿病合併患者への
ソマトロピン製剤の投与時の安全性を論じた公表文献及び国内外の製造販売後調査に
おいて、糖尿病合併患者へのソマトロピン製剤の投与後に糖尿病の悪化を認めない症
例が複数報告されていること。
7.2 糖尿病の患者、及び耐糖能異常のある患者又は糖尿病の発症危険因子を有する患者に対
する注意喚起について
機構は、以下の理由から、糖尿病の患者を「禁忌」の項から削除する場合にも、糖尿病の
患者、及び耐糖能異常のある患者又は糖尿病の発症危険因子を有する患者に対しては、ソマ
トロピン製剤の投与開始前に血糖値、HbA1c 等をコントロールし、さらに、投与開始後は定
26
2021 年時点で販売中止。
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「低血糖」7 件、
「高血糖」4 件、
「低血糖昏睡」及び「2 型糖尿病」各 2
件、
「糖尿病」
、
「コントロール不良の糖尿病」
、
「糖尿病性昏睡」
、
「糖尿病性高浸透圧性昏睡」
及び「糖尿病性高浸透圧性非ケトン性症候群」各 1 件)
、うち、報告医師又はヒューマトロ
ープの承認取得者、若しくは両者が因果関係は否定できないと判断した事象は、
「高血糖」
及び「2 型糖尿病」各 2 例 2 件であった。
本調査には糖尿病を合併していた日本人患者が 11 例含まれており、当該 11 例において、
転帰死亡の副作用及び重篤な糖代謝関連の副作用 25 は認められなかった。
7. 調査の結果を踏まえた機構の判断について
7.1 糖尿病の患者への投与の可否について
機構は、以下の理由から、ソマトロピン製剤について、糖尿病の患者を「禁忌」の項から
削除して差し支えないと判断した。
いずれのソマトロピン製剤も初回承認時から糖尿病患者への投与は禁忌とされている
が、最初にソマトロピン製剤が承認された 1988 年には、糖尿病の治療薬は限られてい
た(一部のインスリン製剤、スルホニル尿素薬、ビグアナイド系薬剤及びメゾシュウ酸
カルシウム26のみが本邦で承認されていた(最新内科学大系 7 代謝疾患 2(糖尿病)
中山書店; 1995 等)
)ものの、1988 年と比較して現在では糖尿病の治療選択肢が増えて
おり(糖尿病治療ガイド 2020-2021 日本糖尿病学会編)、糖尿病を適切にコントロール
できる患者が増加したと考えられること。一方で、AGHD 等のソマトロピン製剤の適
応症に対しては、GH 治療以外に治療選択肢がないこと。
海外(米国、EU、カナダ及びオーストラリア)添付文書、海外の診療ガイドライン(日
本内分泌学会が参加している GRS コンセンサスガイドラインを含む)
、及び海外の標
準的な教科書では、ソマトロピン製剤の糖尿病患者への投与は禁忌とされておらず、慎
重に投与することとされていること。
国内副作用症例において、糖尿病患者へのソマトロピン製剤の投与後に糖代謝関連の
重篤な副作用が認められたが、ソマトロピン製剤の休薬や糖尿病用薬の開始等により
適切にコントロールできている症例が報告されていること。また、糖尿病合併患者への
ソマトロピン製剤の投与時の安全性を論じた公表文献及び国内外の製造販売後調査に
おいて、糖尿病合併患者へのソマトロピン製剤の投与後に糖尿病の悪化を認めない症
例が複数報告されていること。
7.2 糖尿病の患者、及び耐糖能異常のある患者又は糖尿病の発症危険因子を有する患者に対
する注意喚起について
機構は、以下の理由から、糖尿病の患者を「禁忌」の項から削除する場合にも、糖尿病の
患者、及び耐糖能異常のある患者又は糖尿病の発症危険因子を有する患者に対しては、ソマ
トロピン製剤の投与開始前に血糖値、HbA1c 等をコントロールし、さらに、投与開始後は定
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2021 年時点で販売中止。
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