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資料1-2 調査結果報告書 (18 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24579.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和3年度第31回 3/22)《厚生労働省》
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並びに海外の標準的な教科書では、糖尿病合併患者のうち、増殖又は重症非増殖(増殖前)
の糖尿病網膜症患者が禁忌とされている。
機構は、ソマトロピン製剤は細胞増殖作用を有することから、糖尿病網膜症の病状を悪化
させる可能性があると考える。しかしながら、機構は、以下の状況を鑑みると、眼科医、内
分泌内科医及び小児科医の連携による適切なモニタリング下では、糖尿病網膜症に対して
ソマトロピン製剤が影響する危険性は、ソマトロピン製剤の初回承認時に考えられていた
よりも限定的な可能性があると考える。


米国、カナダ及びオーストラリアの添付文書、海外の一部のガイドライン、並びに海外
の標準的な教科書においては、増殖又は重症非増殖(増殖前)糖尿病網膜症患者が禁忌
とされているものの、EU 添付文書及び GRS コンセンサスガイドラインでは当該患者
は禁忌とされておらず、当該患者へのソマトロピン製剤投与について統一的な見解が
得られていない状況である。



糖尿病網膜症の発症及び進展には IGF-1 が関与しているとの報告
(Eye 2020; 34(Suppl 1):
1-51 等)があるが、GH 治療は網膜の状態に影響を与えないとの報告(J Clin Endocrinol
Metab 2000; 85: 634-6 等)もある。



かつては GH が糖尿病網膜症の発症に寄与しているとの報告があり(Diabetes Care 1994;
17: 531-4)
、2003 年に米国臨床内分泌学会(AACE)ガイドラインで糖尿病網膜症患者
が禁忌とされたことを理由として、2004 年以降に米国のソマトロピン製剤の添付文書
において増殖又は重症非増殖(増殖前)糖尿病網膜症患者が禁忌とされている。しかし
ながら、現時点では糖尿病網膜症に影響を与える因子(血管内皮増殖因子(VEGF)、
IGF-1、肝細胞成長因子(HGF)
、塩基性線維芽細胞成長因子(b-FGF)等)のうち、最
も強く影響する因子は VEGF であると報告(Eye 2020; 34(Suppl 1): 1-51)され、実際に
糖尿病網膜症の治療では抗 VEGF 治療が主流となっている(糖尿病網膜症診療ガイド
ライン(第 1 版) 日本糖尿病眼学会診療ガイドライン委員会)

したがって、増殖又は重症非増殖(増殖前)糖尿病網膜症を合併する患者に対する投与可

否については、専門協議を踏まえて判断したい。
なお、本邦における糖尿病網膜症の治療環境は、以下の状況であり、増殖又は重症非増殖
(増殖前)糖尿病網膜症に対するモニタリング及び治療方法が確立されているものと考え
る。


糖尿病診断時、増殖網膜症では 1 カ月に 1 回、重症非増殖糖尿病網膜症では 2 カ月に 1
回の眼科受診を指導することが求められている(糖尿病治療ガイド 2020-2021

日本糖

尿病学会編)ことから、ソマトロピン製剤を投与する内分泌内科医においては糖尿病網
膜症を定期的に確認することのコンセンサスが得られている。


増殖又は重症非増殖(増殖前)糖尿病網膜症に対しては、網膜光凝固療法等により、網
膜症の進行阻止又は進行を遅らせることが可能となっている(糖尿病治療ガイド
2020- 2021 日本糖尿病学会編、糖尿病網膜症診療ガイドライン(第 1 版) 日本糖尿

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