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資料1-2-14診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (48 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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263 脳腱黄色腫症
○ 概要
1.概要
脳腱黄色腫症(ステロール 27-ヒドロキシラーゼ位水酸化酵素欠損症)は、シトクロム P-450(CYP)酵素
の一つであるステロール 27 位水酸化酵素をコードする遺伝子(CYP27A1)の異常により CYP 蛋白である
27-ヒドロキシラーゼ(CYP27)、その活性が低下する常染色体潜性遺伝(劣性遺伝性遺伝)疾患である。神
経組織や腱組織をはじめとする全身に蓄積した脂質成分が、コレステロール及びコレスタノール(コレステ
ロールに類似した構造を示す物質)であったことから、先天性ステロール蓄積症であることが同定された。
我が国では 60 例ほどの報告がみられ、20 歳以前に多くが発症し、平均年齢が男性 40.4 歳、女性 36.8 歳
となっている。本症は知能低下・錘体 2015 年に実施した全国調査では 40 例の脳腱黄色腫症患者の存在
が確認され、平均発症年齢は 24.5 歳であった。また、これまでに本邦から約 60 例の本症患者の報告があ
る。本症は精神発達遅滞・認知機能障害・錐体路症状・小脳症状などの進行性神経障害、アキレス腱黄色
腫及び若年性白内障、早発性心血管疾患などにより特徴づけられる疾患である。また、新生児~乳児期の
遷延性黄疸・胆汁うっ滞や若年発症の慢性の下痢で発症する症例も報告されている。
2.原因

CYP27CYP27A1 遺伝子異常によるステロール 27 位水酸化酵素欠損から C27-ステロール側鎖の酸化障
害がおきると、コレステロールから胆汁酸が合成される経路が障害される。コール酸とケノデオキシコール
酸(CDCA)の合成経路に入るが、CYP27CYP27A1 欠損のために CDCA 合成が行われず、コレスタノール
や胆汁アルコールの過剰産生が起こる。CDCA によるコレステロール分解へのネガティブフィードバックが
消失するため、コレスタノール・胆汁アルコールの産生が助長される。
また、27-水酸化コレステロールが、コレステロール逆転送系で重要な機能をもつ Liver X receptor(LXR)
の内因性リガンドであることから、LXR 機能低下によるマクロファージからのコレステロール排出障害の結
果、黄色腫や若年性動脈硬化症の一因となっている可能性がある。
3.症状
進行性の神経障害(知能低下・錘体錐体路症状・小脳症状など)
皮膚・腱黄色腫
若年性白内障
早発性心血管疾患
4.治療法
胆汁酸プール補充目的に CDCA を投与することで、コレステロール・コレスタノールの産生を抑制しうる。
海外の報告では、CDCA 長期投与1年後から知能低下、錘体路症状、小脳症状、末梢神経症状などの臨
床症状及び脳波異常、CT スキャンでの異常所見の改善を認めたという報告がある CDCA 投与により、血
清コレスタノールの上昇や尿中への胆汁アルコール排泄増加といった生化学的検査異常が改善する。また、

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