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資料4-3 機関評価結果及び対処方針 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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評価委員会の指摘事項

各研究部の対処方針

◆ 細胞の置かれた環境により腫瘍化の仕方が異なると思うので、この観点からの研

● ご指摘の通り、細胞加工製品の造腫瘍性の評価には、造腫瘍性細胞の数量だ
けではなく、製品細胞の生着部位周辺の微小環境の影響を考慮する必要がござい

究も必要ではないかと考えられる。

ます。この点につきましては以前に私どもは、加齢黄斑変性治療用の iPS 細胞由


来網膜色素上皮細胞をモデルケースとして、微小環境の影響評価の方法を提示し
た経験がございます(Kanemura H, et al., Sci Rep. 2013;3:2334.)。こうした経験の蓄



積をもとに、私どもはガイドライン文書案「ヒト細胞加工製品の未分化多能性幹細
胞・形質転換細胞検出試験、造腫瘍性試験及び遺伝的安定性評価に関する留意



点」を作成しました。同文書は、令和元年 6 月 27 日に厚労省から「薬生機審発
0627 第 1 号別添」として発出していただきました。必要な関連研究は今後もしっか




り続けて参りたいと存じます。
◆ 今後は、細胞加工製品がますます多様化するものと思われるので、品質や安全性
の評価を適切かつ効率よく実施するための研究開発を推進していただきたい。



● 例えばシングルセル・トランスクリプトーム解析や画像解析のような、細胞集団の
「複雑さ」「不均一性」を解析できるツールが出現しつつありますので、これらを細胞
加工製品の品質評価にいかに適用するか、適用できるのか、という課題に関する
レギュラトリーサイエンスに今後取り組んで参りたいと考えております。


② 研究分野・課題の選定(厚労省の施策又は事業との関連性を含む)


◆ 再生医療における造腫瘍性試験法の確立は重要な課題である。間葉系幹細胞移

● 再生医療等製品の造腫瘍性は、従来の医薬品等にはない新規のリスクであり、
その評価法の開発は政府の健康医療戦略・成長戦略における関連事項の達成に

植の確立に向けたシステム設計に対する取組等も重要と思われる。

は必須と考えられます。当部ではこれまでに世界に先駆けて高感度な造腫瘍性試
験法を多数開発して参りました。その成果は、厚労省の関連ガイドラインの基礎に
もなっております。現在は、国内外の産学官ステークホルダーとともに、これらの試
験法の国際標準化・規制調和を目指した多施設バリデーション研究をリードしてお
ります。
また、ご指摘の通り、間葉系幹細胞加工製品の開発は国内外で盛んにおこなわれ
ており、その品質評価の手法の確立は非常に重要と存じます。特に、間葉系幹細
胞加工製品においては細胞集団の不均一性の把握、並びに作用機序の理解およ
びポテンシー・アッセイの確立が品質確保における課題となっております。細胞集
団の不均一性の把握に関しては、現在、理研横浜とシングル・セル・トランスクリプ
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