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別紙4○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (29 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00051.html |
出典情報 | 先進医療会議(第115回 10/6)《厚生労働省》 |
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主要評価項目である両側罹患例における術後 2 年後の対側の大腿骨頭の圧潰率に関して、以下の Asada
らの報告の自然経過における非・圧潰大腿骨頭の圧潰への病期進行率を参照することとした。
病型(重症度)
診断日から 1 年時点
診断日から 2 年時点
診断日から 3 年時点
Type B (n=33)
0% (0.0-0.0)
3.0% (0.4–19.6)
6.3% (1.6–22.8)
Type C1 (n=104)
19.2% (12.9–28.2)
33.7% (25.5–43.6)
42.1% (33.0–52.6)
Type C2 (n=115)
54.8% (46.0–64.0.)
66.1% (57.4–74.6)
72.9% (64.4–80.8)
Asada, R et al. Femoral head collapse rate among Japanese patients with pre-collapse
osteonecrosis of the femoral head. Journal of International Medical research, 2021.
上記の結果から、以下のように考察を行った。
1)
順天堂医院で診療を受けた過去の症例の調査(研究名:「特発性大腿骨頭壊死症に対する人工股
関節全置換術術後成績の後ろ向き調査」。2020 年 7 月 31 日倫理委員会承認。オプトアウト済み。
以下、我々の過去症例調査。)では、本研究対象患者は 24 名おり、そのうち Type B は 1 例(4.2%)
のみであり術後複数年たっても大腿骨頭は圧潰していなかった。以上より、Type B は数も少な
くその自然経過でほぼ圧潰しないので、本有効性検証研究の対象とするのは相応しくなく、Type
C のみを対象にすることが適切であると判断した。
2)
Asada らの報告は診断日を起点とした観察期間であるが、本研究は両側例における片側の手術日
を基点としている。臨床的には、診断日から片側の手術日までは一定の時間を要するため、本研
究における観察開始期間は当該論文よりも実質的に病期の後期に位置する。よって、診断日から
2 年の時点の圧潰率よりも 3 年時点の圧潰率である(C1:42.1%,C2:72.9%)を用いることとした。
3)
本研究では、両側罹患例における片側が圧潰した症例のうち、対側が非・圧潰の大腿骨頭を維持
している患者を対象としている。よって、C1 と C2 の比率が同じではない可能性が存在する。
我々の過去症例調査では、解析可能な本研究対象者 20 名のうち、Type C1 は 16 人、C2 は 4 人で
あり、術後 2 年の圧潰率は 45%であった。2)で採用した圧潰率(C1:42.1%,C2:72.9%)について、
順天堂医院での各症例の人数が Type C1 は 16 人、C2 は 4 人であったことから、本研究において
も、このような人数の割合となると想定し、それぞれのタイプの人数を重みとして、Type C の
圧潰率の重みづけ平均を計算すると、48.3%と計算された。
よって、本研究における術後 2 年における大腿骨頭圧潰率は 48%と設定した。
以上の考察より症例数設定は以下のようになる。ヒストリカルコントロールの大腿骨頭圧潰率を 48%、
本試験での期待比率 0.24、α=0.05(片側)、β=0.2 と仮定した。必要症例数を、二項比率に対する正確
検定により計算すると、29 症例となった。この時、実際の有意水準は 4.89%で、検出力は 86.4%とな
った。我々の過去症例調査において、本試験の対象患者であるが、内科的原疾患の悪化等の理由により
術後 2 年のフォローを行えなかったものが、23 名中 3 名(13.0%)生じていたので、脱落率を 13%と想
定し、合計 34 名を本試験の目標症例数と設定した。
さらには、2019〜2021 年における本研究における対象患者数は、順天堂医院で平均 6.0 人/年(2019
年は 9 人)、呉医療センターで平均 3.7 人/年であった。さらに、本研究開始時には、研究協力医師から
の患者紹介による症例追加(各 2 例、合計 4 例/年を見込み)、呉医療センターは 2021 年度の膠原病内科
新設による患者増加により更なる対象患者の増加が見込まれる。よって、目標症例数の組入れ可能性は
十分に高い。
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らの報告の自然経過における非・圧潰大腿骨頭の圧潰への病期進行率を参照することとした。
病型(重症度)
診断日から 1 年時点
診断日から 2 年時点
診断日から 3 年時点
Type B (n=33)
0% (0.0-0.0)
3.0% (0.4–19.6)
6.3% (1.6–22.8)
Type C1 (n=104)
19.2% (12.9–28.2)
33.7% (25.5–43.6)
42.1% (33.0–52.6)
Type C2 (n=115)
54.8% (46.0–64.0.)
66.1% (57.4–74.6)
72.9% (64.4–80.8)
Asada, R et al. Femoral head collapse rate among Japanese patients with pre-collapse
osteonecrosis of the femoral head. Journal of International Medical research, 2021.
上記の結果から、以下のように考察を行った。
1)
順天堂医院で診療を受けた過去の症例の調査(研究名:「特発性大腿骨頭壊死症に対する人工股
関節全置換術術後成績の後ろ向き調査」。2020 年 7 月 31 日倫理委員会承認。オプトアウト済み。
以下、我々の過去症例調査。)では、本研究対象患者は 24 名おり、そのうち Type B は 1 例(4.2%)
のみであり術後複数年たっても大腿骨頭は圧潰していなかった。以上より、Type B は数も少な
くその自然経過でほぼ圧潰しないので、本有効性検証研究の対象とするのは相応しくなく、Type
C のみを対象にすることが適切であると判断した。
2)
Asada らの報告は診断日を起点とした観察期間であるが、本研究は両側例における片側の手術日
を基点としている。臨床的には、診断日から片側の手術日までは一定の時間を要するため、本研
究における観察開始期間は当該論文よりも実質的に病期の後期に位置する。よって、診断日から
2 年の時点の圧潰率よりも 3 年時点の圧潰率である(C1:42.1%,C2:72.9%)を用いることとした。
3)
本研究では、両側罹患例における片側が圧潰した症例のうち、対側が非・圧潰の大腿骨頭を維持
している患者を対象としている。よって、C1 と C2 の比率が同じではない可能性が存在する。
我々の過去症例調査では、解析可能な本研究対象者 20 名のうち、Type C1 は 16 人、C2 は 4 人で
あり、術後 2 年の圧潰率は 45%であった。2)で採用した圧潰率(C1:42.1%,C2:72.9%)について、
順天堂医院での各症例の人数が Type C1 は 16 人、C2 は 4 人であったことから、本研究において
も、このような人数の割合となると想定し、それぞれのタイプの人数を重みとして、Type C の
圧潰率の重みづけ平均を計算すると、48.3%と計算された。
よって、本研究における術後 2 年における大腿骨頭圧潰率は 48%と設定した。
以上の考察より症例数設定は以下のようになる。ヒストリカルコントロールの大腿骨頭圧潰率を 48%、
本試験での期待比率 0.24、α=0.05(片側)、β=0.2 と仮定した。必要症例数を、二項比率に対する正確
検定により計算すると、29 症例となった。この時、実際の有意水準は 4.89%で、検出力は 86.4%とな
った。我々の過去症例調査において、本試験の対象患者であるが、内科的原疾患の悪化等の理由により
術後 2 年のフォローを行えなかったものが、23 名中 3 名(13.0%)生じていたので、脱落率を 13%と想
定し、合計 34 名を本試験の目標症例数と設定した。
さらには、2019〜2021 年における本研究における対象患者数は、順天堂医院で平均 6.0 人/年(2019
年は 9 人)、呉医療センターで平均 3.7 人/年であった。さらに、本研究開始時には、研究協力医師から
の患者紹介による症例追加(各 2 例、合計 4 例/年を見込み)、呉医療センターは 2021 年度の膠原病内科
新設による患者増加により更なる対象患者の増加が見込まれる。よって、目標症例数の組入れ可能性は
十分に高い。
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