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資料1-2 アムロジピンベシル酸塩 調査結果報告書及び添付文書 (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29305.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第19回 11/22)《厚生労働省》 |
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2.背景
アムロジピン(amlodipine)(以下、「本薬」)は、ジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬(以
下、
「Ca 拮抗薬」
)に分類され、 血管拡張薬として高血圧症や狭心症に用いられている。本薬を含
む Ca 拮抗薬は、日本高血圧学会による高血圧治療ガイドライン 20191) において、ARB、ACE 阻
害剤、利尿薬ともに第一選択薬のひとつに挙げられている。また、当該ガイドラインにおいて、
Ca 拮抗薬の特徴と主な副作用として、
「アムロジピンは血中半減期および作用時間が長く、また
効果発現が緩徐であるため、反射性交感神経活性化やレニンアンジオテンシン系の活性化を生じ
にくいため、有用性が高く評価され、もっとも頻用される降圧薬となっている」と記載されてい
る。
妊娠中に高血圧を認める場合を妊娠高血圧症候群という。2) 妊婦が降圧薬を使用する状況は大
きく二通りに分けられ、①妊娠中期(20 週)以降に発症する妊娠高血圧腎症・妊娠高血圧・加重
型妊娠高血圧腎症と②妊娠前又は妊娠 20 週未満に高血圧が存在する高血圧合併妊娠である。
本邦における妊娠高血圧症候群の薬物治療については、第一選択薬である ARB と ACE 阻害薬
はヒトにおいて胎児毒性が示されていることから妊婦には使用できず、利尿薬は胎盤血流を低下
させる可能性があるため通常妊婦には使用しない。また、Ca 拮抗薬では、ニフェジピンが妊娠 20
週以降の妊婦への投与が可能であるものの、妊娠前又は妊娠 20 週未満に高血圧が存在する高血圧
合併妊娠症例では Ca 拮抗薬が使用できない状況が続いている。そのため、妊娠中に使用できる降
圧薬は、添付文書上、ラベタロール、メチルドパ、ヒドララジン、ニフェジピン(妊娠 20 週以降)
等の限られた品目だけである。
なお、本薬の妊婦などへの使用については、添付文書に「妊婦又は妊娠している可能性のある
女性には投与しないこと。動物実験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長するこ
とが認められている」と記載されている通り「禁忌」とされている。
高血圧合併妊娠は、正常血圧妊娠と比較して母体の加重型妊娠高血圧腎症や高血圧の重症化、
低出生体重児出産、早産、児の NICU 入室、新生児死亡の割合が高いハイリスク妊娠である。3) 海
外の総説では全妊娠の 1-5%3) に合併すると報告されており、
本邦では 0.5-3.5%という報告がある。
肥満の増加や近年の出産年齢の上昇から増加していると予想されている。3),6),7)さらに本邦では、
4),5)
1980 年代後半より将来の高血圧発症のリスクである低出生体重児出産が増加 8)していること、20
歳代での高血圧有病率が増加していること等から、今後高血圧合併妊娠は増加していくことが予
想される。
妊娠中の高血圧治療については、
妊娠高血圧症候群女性(高血圧合併妊娠 75%、妊娠高血圧 25%)
を対象とした、前向き介入研究では、より低い血圧コントロールが母児予後を改善することが報
告されており、9),10)また、米国からの 2019 年の報告では、妊娠高血圧症候群において重症域 160/110
mmHg 以上の高血圧の存在が母体死亡に有意に関連していたことが報告 11)されたことから、日本
妊娠高血圧学会による妊娠高血圧症候群の診療指針 2021 では、妊娠中のより厳格な血圧コントロ
ールが求められるようになった。12)
さらに、
「妊娠と薬情報センター」に設置された「情報提供ワーキンググループ」
(以下、
「ワー
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アムロジピン(amlodipine)(以下、「本薬」)は、ジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬(以
下、
「Ca 拮抗薬」
)に分類され、 血管拡張薬として高血圧症や狭心症に用いられている。本薬を含
む Ca 拮抗薬は、日本高血圧学会による高血圧治療ガイドライン 20191) において、ARB、ACE 阻
害剤、利尿薬ともに第一選択薬のひとつに挙げられている。また、当該ガイドラインにおいて、
Ca 拮抗薬の特徴と主な副作用として、
「アムロジピンは血中半減期および作用時間が長く、また
効果発現が緩徐であるため、反射性交感神経活性化やレニンアンジオテンシン系の活性化を生じ
にくいため、有用性が高く評価され、もっとも頻用される降圧薬となっている」と記載されてい
る。
妊娠中に高血圧を認める場合を妊娠高血圧症候群という。2) 妊婦が降圧薬を使用する状況は大
きく二通りに分けられ、①妊娠中期(20 週)以降に発症する妊娠高血圧腎症・妊娠高血圧・加重
型妊娠高血圧腎症と②妊娠前又は妊娠 20 週未満に高血圧が存在する高血圧合併妊娠である。
本邦における妊娠高血圧症候群の薬物治療については、第一選択薬である ARB と ACE 阻害薬
はヒトにおいて胎児毒性が示されていることから妊婦には使用できず、利尿薬は胎盤血流を低下
させる可能性があるため通常妊婦には使用しない。また、Ca 拮抗薬では、ニフェジピンが妊娠 20
週以降の妊婦への投与が可能であるものの、妊娠前又は妊娠 20 週未満に高血圧が存在する高血圧
合併妊娠症例では Ca 拮抗薬が使用できない状況が続いている。そのため、妊娠中に使用できる降
圧薬は、添付文書上、ラベタロール、メチルドパ、ヒドララジン、ニフェジピン(妊娠 20 週以降)
等の限られた品目だけである。
なお、本薬の妊婦などへの使用については、添付文書に「妊婦又は妊娠している可能性のある
女性には投与しないこと。動物実験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長するこ
とが認められている」と記載されている通り「禁忌」とされている。
高血圧合併妊娠は、正常血圧妊娠と比較して母体の加重型妊娠高血圧腎症や高血圧の重症化、
低出生体重児出産、早産、児の NICU 入室、新生児死亡の割合が高いハイリスク妊娠である。3) 海
外の総説では全妊娠の 1-5%3) に合併すると報告されており、
本邦では 0.5-3.5%という報告がある。
肥満の増加や近年の出産年齢の上昇から増加していると予想されている。3),6),7)さらに本邦では、
4),5)
1980 年代後半より将来の高血圧発症のリスクである低出生体重児出産が増加 8)していること、20
歳代での高血圧有病率が増加していること等から、今後高血圧合併妊娠は増加していくことが予
想される。
妊娠中の高血圧治療については、
妊娠高血圧症候群女性(高血圧合併妊娠 75%、妊娠高血圧 25%)
を対象とした、前向き介入研究では、より低い血圧コントロールが母児予後を改善することが報
告されており、9),10)また、米国からの 2019 年の報告では、妊娠高血圧症候群において重症域 160/110
mmHg 以上の高血圧の存在が母体死亡に有意に関連していたことが報告 11)されたことから、日本
妊娠高血圧学会による妊娠高血圧症候群の診療指針 2021 では、妊娠中のより厳格な血圧コントロ
ールが求められるようになった。12)
さらに、
「妊娠と薬情報センター」に設置された「情報提供ワーキンググループ」
(以下、
「ワー
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