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資料1-2 アムロジピンベシル酸塩 調査結果報告書及び添付文書 (45 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29305.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第19回 11/22)《厚生労働省》 |
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血中アムロジピン濃度(ng/mL)
また、健康成人2例に 14C‑アムロジピン 15mgを単回経口投与した
場合、投与後12日までに投与放射能の 59.3%が尿中に 23.4%が糞
中に排泄され、投与後72時間までの尿中放射能の9%が未変化体で
(外国人データ)。
あった。その他に9種の代謝物が認められた 8)
なお、これら代謝物にはアムロジピンをしのぐ薬理作用は認めら
れていない。
16 . 6 特定の背景を有する患者
16 . 6 . 1 肝機能障害患者
成人肝硬変患者(Child A、Bクラス)
5例にアムロジピンとして
2.5mgを単回経口投与した場合の薬物動態は図及び表のとおりで
あった。健康成人に比較して、投与72時間後の血中濃度が有意に
上昇し、T1/2、AUCはやや高値を示したが有意差は認められなかっ
[9.3参照]
た 9)。
17 . 臨床成績
5
肝機能障害患者
(n = 5)
健康成人
(n = 6)
:p<0.05
( t 検定)
平均値 標準誤差
1
0.5
0.1
6 12
24
48
72
投 与 後 時 間 (時間)
Tmax
(hr)
肝機能障害患者
健康成人6)
96
Cmax
AUC 0〜∞
(ng/mL) (ng・hr/mL)
120
T1/2
(hr)
7.2 1.2
1.9 0.2
104.0 15.5
43.0 8.0
7.3 0.4
1.64 0.07
68.1 5.4
33.3 2.2
平均値 標準誤差
有意差検定:n. s.
16 . 6 . 2 小児
高血圧症患者にアムロジピンとして1日1.25〜20mg注)を連続投与
した母集団薬物動態試験の結果、クリアランス
(平均値)は、6〜12
歳(34例)で24.9L/hr、13〜17歳(28例)で27.9L/hrと推定され、成
(外国人データ)。
人における値と同様であった 10)
注)小児患者において本剤の承認された1日通常用量は2.5mgである。
16 . 6 . 3 高齢者
老年高血圧症患者(男2、女 4、平均年齢79.7歳)6例にアムロジピン
として5mgを単回、及び8日間反復経口投与した場合の薬物動態は
図及び表のとおりであった。単回投与した場合、若年健康成人(男
6、平均年齢 22.3歳)に比較してCmax及びAUCは有意に高値を示し
たが、T1/2 に有意差は認められなかった。反復投与時には老年者の
血清中アムロジピン濃度は若年者よりも高く推移したが、そのパ
ターンは若年者に類似しており、老年者でその蓄積が増大する傾
[9.8参照]
向は認められなかった 3)。
血漿中アムロジピン濃度(ng/mL)
20
17 . 1 有効性及び安全性に関する試験
〈高血圧症〉
17 . 1 . 1 国内臨床試験
本態性高血圧症に対する有効率
(「下降」以上、判定不能例は除く)
は85.8%
(467/544 例)であり、二重盲検比較試験によっても本剤の
有用性が認められた 11)‑14)。また、腎障害を伴う高血圧症に対して
は80.0%(28/35例)
、重症高血圧症に対しては88.9%
(8/9例)の有効
率を示した 15)、16)。
17 . 1 . 2 国内第Ⅲ相試験
アムロジピンとして 5mgを1日1回8週間投与後に収縮期血圧が
140mmHg以上を示す患者305例を二群に分けて、アムロジピン
として10mg又は5mgを1日1回8 週間投与したとき、収縮期血圧
のベースラインからの変化量の平均値は、10mg群で13.7mmHg、
5mg群で7.0mmHg低下し、両群間に統計的に有意な差がみられ
た。
臨 床 検 査 値 異 常 を 含 む 副 作 用 の 発 現 頻 度 は、5mg群 で は 3.9%
(6/154例)、10mg群では9.9%(15/151例)
であった。高用量
(10mg)
投与時に浮腫が高い頻度で認められ、5mg群で0.6%、10mg群で
[11.2参照]
3.3%であった 17)。
さらに、二群から移行した134例全例にアムロジピンとして 10mg
を1日1回44週間投与したとき(通算52週時)
、収縮期血圧のベー
スラインからの変化量の平均値は、15.6mmHgの低下を示した。
臨床検査値異常を含む副作用の発現頻度は24.6%(33例)であった。
主な副作用は浮腫10.4%、めまい・ふらつき3.0%等であった 18)。
〈狭心症〉
17 . 1 . 3 国内臨床試験
狭心症に対する有効率(「改善」以上、判定不能例は除く)
は 74.0%
(108/146例)であり、二重盲検比較試験によっても本剤の有用性が
認められた。病型別の有効率は、労作性狭心症82.0%(73/89例)、労
作兼安静狭心症61.4%(35/57例)
であった 19)‑24)。
〈効能共通〉
17 . 1 . 4 国内臨床試験
アムロジピンベシル酸塩錠を投与した高齢者(70歳以上)
におい
て、高血圧症に対しての有効率は 86.5%
(45/52 例)、狭心症に対し
ての有効率は 82.8%(24/29例)
であった。
副作用の発現頻度は 3.8%(5/133例)
、臨床検査値の異常変動は
3.0%(4/133例)
であった。主な副作用はめまい・ふらつきであり、
臨床検査値の異常変動はAST、ALT及びALPの上昇等であった。
老年高血圧症患者
(n = 6)
若年健康成人 (n = 6)
10
1.0
0 24 48
(時間)
初回投与
1
2
3
4
5
(日)
反復投与
6
老年高血圧症患者
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC 0〜48hr
(ng・hr/mL)
0
24 48 72
(時間)
最終投与
若年健康成人
単回投与時
反復投与時
単回投与時
反復投与時
4.24 0.08
7.2 0.49
37.5 6.0
14.9 2.2
8.0 1.8
47.4 11.3
2.63 0.35
6.7 0.42
27.7 4.6
7.51 0.32
8.0 0.7
34.7 2.7
̶
63.2 5.5
̶
116.9 8.4
平均値 標準誤差
p<0.05、 p<0.01
(vs 健康成人)
18 . 薬効薬理
18 . 1 作用機序
細胞膜の電位依存性カルシウムチャネルに選択的に結合し、細胞
内へのCa2+の流入を減少させて冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩
させる。そのカルシウム拮抗作用は緩徐に発現するとともに持続
性を示し、また心抑制作用が弱く血管選択性を示すことが認めら
れている 25)。
18 . 2 降圧作用
各種高血圧病態モデル
(高血圧自然発症ラット、腎性高血圧イヌ)
に
おいて、単回投与で血圧下降の発現が緩徐で作用持続時間が長いこ
とが認められており、連続投与でも耐性の発現しないことが認めら
れている 26)。また、麻酔又は無麻酔イヌで大腿動脈、冠動脈及び椎
骨動脈の血流量を持続的に増加させるとともに、持続的に全末梢血
管抵抗を減少させ血圧を下降させることが認められている。
18 . 3 高血圧に伴う心血管障害への作用
食塩感受性Dahlラットにアムロジピンを10週間以上連続投与する
ことにより、加齢に伴う血圧上昇及び腸間膜動脈の石灰沈着、フィ
ブリン沈着等の血管病変が抑制された 27)。
脳卒中易発症高血圧ラットにアムロジピン 3mg/kg/日を連続投与
することにより、血圧上昇の抑制及び延命効果が認められた。ま
た、心筋の線維化、腎の増殖性動脈炎、糸球基底膜肥厚、尿細管萎
縮等の病変の発生も明らかに抑制された 28)。
18 . 4 抗狭心症作用
麻酔モルモットにおいて、セファデックス冠動脈塞栓による心筋
虚血性心電図変化を改善
(ST上昇を抑制)
することが認められてい
る。また、ラット摘出虚血後再灌流心臓において、収縮力の回復を
改善し、組織内Ca2+量の増加を抑制するとともに、組織内ATP量
及びクレアチンリン酸量の回復を促進するなどの心筋保護作用が
認められている 29)。
ネコ血液灌流摘出心臓において、左室dp/dt及び左室収縮期圧は低
下し、心筋酸素消費量も減少した 30)。
44
̶ 4 ̶
また、健康成人2例に 14C‑アムロジピン 15mgを単回経口投与した
場合、投与後12日までに投与放射能の 59.3%が尿中に 23.4%が糞
中に排泄され、投与後72時間までの尿中放射能の9%が未変化体で
(外国人データ)。
あった。その他に9種の代謝物が認められた 8)
なお、これら代謝物にはアムロジピンをしのぐ薬理作用は認めら
れていない。
16 . 6 特定の背景を有する患者
16 . 6 . 1 肝機能障害患者
成人肝硬変患者(Child A、Bクラス)
5例にアムロジピンとして
2.5mgを単回経口投与した場合の薬物動態は図及び表のとおりで
あった。健康成人に比較して、投与72時間後の血中濃度が有意に
上昇し、T1/2、AUCはやや高値を示したが有意差は認められなかっ
[9.3参照]
た 9)。
17 . 臨床成績
5
肝機能障害患者
(n = 5)
健康成人
(n = 6)
:p<0.05
( t 検定)
平均値 標準誤差
1
0.5
0.1
6 12
24
48
72
投 与 後 時 間 (時間)
Tmax
(hr)
肝機能障害患者
健康成人6)
96
Cmax
AUC 0〜∞
(ng/mL) (ng・hr/mL)
120
T1/2
(hr)
7.2 1.2
1.9 0.2
104.0 15.5
43.0 8.0
7.3 0.4
1.64 0.07
68.1 5.4
33.3 2.2
平均値 標準誤差
有意差検定:n. s.
16 . 6 . 2 小児
高血圧症患者にアムロジピンとして1日1.25〜20mg注)を連続投与
した母集団薬物動態試験の結果、クリアランス
(平均値)は、6〜12
歳(34例)で24.9L/hr、13〜17歳(28例)で27.9L/hrと推定され、成
(外国人データ)。
人における値と同様であった 10)
注)小児患者において本剤の承認された1日通常用量は2.5mgである。
16 . 6 . 3 高齢者
老年高血圧症患者(男2、女 4、平均年齢79.7歳)6例にアムロジピン
として5mgを単回、及び8日間反復経口投与した場合の薬物動態は
図及び表のとおりであった。単回投与した場合、若年健康成人(男
6、平均年齢 22.3歳)に比較してCmax及びAUCは有意に高値を示し
たが、T1/2 に有意差は認められなかった。反復投与時には老年者の
血清中アムロジピン濃度は若年者よりも高く推移したが、そのパ
ターンは若年者に類似しており、老年者でその蓄積が増大する傾
[9.8参照]
向は認められなかった 3)。
血漿中アムロジピン濃度(ng/mL)
20
17 . 1 有効性及び安全性に関する試験
〈高血圧症〉
17 . 1 . 1 国内臨床試験
本態性高血圧症に対する有効率
(「下降」以上、判定不能例は除く)
は85.8%
(467/544 例)であり、二重盲検比較試験によっても本剤の
有用性が認められた 11)‑14)。また、腎障害を伴う高血圧症に対して
は80.0%(28/35例)
、重症高血圧症に対しては88.9%
(8/9例)の有効
率を示した 15)、16)。
17 . 1 . 2 国内第Ⅲ相試験
アムロジピンとして 5mgを1日1回8週間投与後に収縮期血圧が
140mmHg以上を示す患者305例を二群に分けて、アムロジピン
として10mg又は5mgを1日1回8 週間投与したとき、収縮期血圧
のベースラインからの変化量の平均値は、10mg群で13.7mmHg、
5mg群で7.0mmHg低下し、両群間に統計的に有意な差がみられ
た。
臨 床 検 査 値 異 常 を 含 む 副 作 用 の 発 現 頻 度 は、5mg群 で は 3.9%
(6/154例)、10mg群では9.9%(15/151例)
であった。高用量
(10mg)
投与時に浮腫が高い頻度で認められ、5mg群で0.6%、10mg群で
[11.2参照]
3.3%であった 17)。
さらに、二群から移行した134例全例にアムロジピンとして 10mg
を1日1回44週間投与したとき(通算52週時)
、収縮期血圧のベー
スラインからの変化量の平均値は、15.6mmHgの低下を示した。
臨床検査値異常を含む副作用の発現頻度は24.6%(33例)であった。
主な副作用は浮腫10.4%、めまい・ふらつき3.0%等であった 18)。
〈狭心症〉
17 . 1 . 3 国内臨床試験
狭心症に対する有効率(「改善」以上、判定不能例は除く)
は 74.0%
(108/146例)であり、二重盲検比較試験によっても本剤の有用性が
認められた。病型別の有効率は、労作性狭心症82.0%(73/89例)、労
作兼安静狭心症61.4%(35/57例)
であった 19)‑24)。
〈効能共通〉
17 . 1 . 4 国内臨床試験
アムロジピンベシル酸塩錠を投与した高齢者(70歳以上)
におい
て、高血圧症に対しての有効率は 86.5%
(45/52 例)、狭心症に対し
ての有効率は 82.8%(24/29例)
であった。
副作用の発現頻度は 3.8%(5/133例)
、臨床検査値の異常変動は
3.0%(4/133例)
であった。主な副作用はめまい・ふらつきであり、
臨床検査値の異常変動はAST、ALT及びALPの上昇等であった。
老年高血圧症患者
(n = 6)
若年健康成人 (n = 6)
10
1.0
0 24 48
(時間)
初回投与
1
2
3
4
5
(日)
反復投与
6
老年高血圧症患者
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
T1/2(hr)
AUC 0〜48hr
(ng・hr/mL)
0
24 48 72
(時間)
最終投与
若年健康成人
単回投与時
反復投与時
単回投与時
反復投与時
4.24 0.08
7.2 0.49
37.5 6.0
14.9 2.2
8.0 1.8
47.4 11.3
2.63 0.35
6.7 0.42
27.7 4.6
7.51 0.32
8.0 0.7
34.7 2.7
̶
63.2 5.5
̶
116.9 8.4
平均値 標準誤差
p<0.05、 p<0.01
(vs 健康成人)
18 . 薬効薬理
18 . 1 作用機序
細胞膜の電位依存性カルシウムチャネルに選択的に結合し、細胞
内へのCa2+の流入を減少させて冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩
させる。そのカルシウム拮抗作用は緩徐に発現するとともに持続
性を示し、また心抑制作用が弱く血管選択性を示すことが認めら
れている 25)。
18 . 2 降圧作用
各種高血圧病態モデル
(高血圧自然発症ラット、腎性高血圧イヌ)
に
おいて、単回投与で血圧下降の発現が緩徐で作用持続時間が長いこ
とが認められており、連続投与でも耐性の発現しないことが認めら
れている 26)。また、麻酔又は無麻酔イヌで大腿動脈、冠動脈及び椎
骨動脈の血流量を持続的に増加させるとともに、持続的に全末梢血
管抵抗を減少させ血圧を下降させることが認められている。
18 . 3 高血圧に伴う心血管障害への作用
食塩感受性Dahlラットにアムロジピンを10週間以上連続投与する
ことにより、加齢に伴う血圧上昇及び腸間膜動脈の石灰沈着、フィ
ブリン沈着等の血管病変が抑制された 27)。
脳卒中易発症高血圧ラットにアムロジピン 3mg/kg/日を連続投与
することにより、血圧上昇の抑制及び延命効果が認められた。ま
た、心筋の線維化、腎の増殖性動脈炎、糸球基底膜肥厚、尿細管萎
縮等の病変の発生も明らかに抑制された 28)。
18 . 4 抗狭心症作用
麻酔モルモットにおいて、セファデックス冠動脈塞栓による心筋
虚血性心電図変化を改善
(ST上昇を抑制)
することが認められてい
る。また、ラット摘出虚血後再灌流心臓において、収縮力の回復を
改善し、組織内Ca2+量の増加を抑制するとともに、組織内ATP量
及びクレアチンリン酸量の回復を促進するなどの心筋保護作用が
認められている 29)。
ネコ血液灌流摘出心臓において、左室dp/dt及び左室収縮期圧は低
下し、心筋酸素消費量も減少した 30)。
44
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