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資料1-2 アムロジピンベシル酸塩 調査結果報告書及び添付文書 (38 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29305.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第19回 11/22)《厚生労働省》 |
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④欧州の催奇形性情報サービスによる、妊娠第1三半期に Ca 拮抗薬 299 例(本薬 36 例)に曝露
した妊婦を対象とした前向きコホート研究 3)において、大奇形の発生リスクについて対照群
との有意差は示されなかった。この他にも 40-300 例規模の複数の研究(加・米・英における催
奇形性情報サービスによる、妊娠第1三半期に Ca 拮抗薬 78 例に曝露した妊婦を対象とした前
向きコホート研究 1)
、スウェーデンの出生レジストリデータベース情報を利用した研究 4)
(Ca
拮抗薬 343 例、本薬 47 例)
)
、イギリスの General Practice Research Database を利用した研
究 7)
(Ca 拮抗薬 55 例)では、先天異常の発生リスクが示されなかった。一方、アメリカ保険
請求情報を利用した研究(Ca 拮抗薬 40 例)5)では、奇形全体の発生率は上昇させないもの
の、上部消化管奇形との関連が示された。ハンガリーの国家レジストリを用いた対照症例研究
2)では、動物実験でみられた四肢異常やアメリカ保険請求情報を利用した研究 6)でリスクが
上昇することが示された上部消化管奇形との関連については、これらを支持する結果は得られ
なかった。この他に、米・加で行った先天奇形 5568 例と対照 7253 例を解析した症例対照研究
8)では先天奇形との関連は認めなかった。
以上、先天異常のリスクが示されなかった疫学研究は 8 報(コホート研究 6 報(1、3、4-7)、
)で
症例対照研究 2 報(2、8))、先天異常のリスクを示した疫学研究 1 報(コホート 1 報(5)
あった。これらの疫学研究の質・量を考量すると、本薬を含む Ca 拮抗薬は、妊娠初期の使用に
より、先天異常の発生リスクを大きく増加させるとは考えにくい。
また、本邦において、妊娠初期に本薬に曝露された 48 例の単胎高血圧合併妊娠(双胎を含める
と 50 例)で催奇形性の上昇は認められなかったとの研究報告がある 9)。
⑤海外(米国、英国、加国および豪州)の添付文書を確認したが、これらすべてにおいて、本薬は
妊婦禁忌とはなっておらず、米国ではコントロールされていない高血圧は母児にとってリスク
があることが記載されている。英国ではより安全な選択肢がないとき、疾患が母児のためによ
り大きなリスクをともなうとき妊娠中の使用は推奨されると記載されている。
8.添付文書改訂案
ワーキンググループは、上記の判断を踏まえ、本薬の「妊婦への投与」の項において「治療上
の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与する」旨の注意喚起を記載した上で「禁
忌」の項から、
「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」を削除するよう添付文書を改訂するこ
とが適切である判断した。
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した妊婦を対象とした前向きコホート研究 3)において、大奇形の発生リスクについて対照群
との有意差は示されなかった。この他にも 40-300 例規模の複数の研究(加・米・英における催
奇形性情報サービスによる、妊娠第1三半期に Ca 拮抗薬 78 例に曝露した妊婦を対象とした前
向きコホート研究 1)
、スウェーデンの出生レジストリデータベース情報を利用した研究 4)
(Ca
拮抗薬 343 例、本薬 47 例)
)
、イギリスの General Practice Research Database を利用した研
究 7)
(Ca 拮抗薬 55 例)では、先天異常の発生リスクが示されなかった。一方、アメリカ保険
請求情報を利用した研究(Ca 拮抗薬 40 例)5)では、奇形全体の発生率は上昇させないもの
の、上部消化管奇形との関連が示された。ハンガリーの国家レジストリを用いた対照症例研究
2)では、動物実験でみられた四肢異常やアメリカ保険請求情報を利用した研究 6)でリスクが
上昇することが示された上部消化管奇形との関連については、これらを支持する結果は得られ
なかった。この他に、米・加で行った先天奇形 5568 例と対照 7253 例を解析した症例対照研究
8)では先天奇形との関連は認めなかった。
以上、先天異常のリスクが示されなかった疫学研究は 8 報(コホート研究 6 報(1、3、4-7)、
)で
症例対照研究 2 報(2、8))、先天異常のリスクを示した疫学研究 1 報(コホート 1 報(5)
あった。これらの疫学研究の質・量を考量すると、本薬を含む Ca 拮抗薬は、妊娠初期の使用に
より、先天異常の発生リスクを大きく増加させるとは考えにくい。
また、本邦において、妊娠初期に本薬に曝露された 48 例の単胎高血圧合併妊娠(双胎を含める
と 50 例)で催奇形性の上昇は認められなかったとの研究報告がある 9)。
⑤海外(米国、英国、加国および豪州)の添付文書を確認したが、これらすべてにおいて、本薬は
妊婦禁忌とはなっておらず、米国ではコントロールされていない高血圧は母児にとってリスク
があることが記載されている。英国ではより安全な選択肢がないとき、疾患が母児のためによ
り大きなリスクをともなうとき妊娠中の使用は推奨されると記載されている。
8.添付文書改訂案
ワーキンググループは、上記の判断を踏まえ、本薬の「妊婦への投与」の項において「治療上
の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与する」旨の注意喚起を記載した上で「禁
忌」の項から、
「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」を削除するよう添付文書を改訂するこ
とが適切である判断した。
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