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資料 先-3-2○先進医療技術の科学的評価等について (102 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00063.html
出典情報 先進医療会議(第127回 12/7)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療告示28>
子宮内膜受容能検査2

適応症
胚移植を受ける不妊症患者(これまで反復して着床・妊娠に至らないものに限る)
内容
(先進性)
子宮内膜が胚の着床を受け入れられる状態(すなわち受容期)にある短い期間のことを、着床の窓といい、これまで
は主に病理組織学的により評価されてきたが、正確に着床の窓を捉えることは困難であった。近年の遺伝子解析技
術の進歩によって、子宮内膜の遺伝子発現パターンを用いて、着床の窓を推測できるようになり、子宮内膜受容能
検査が開発された。2011年にスペインIgenomics社のEndometrial receptivity array (ERA)が検査可能となり、病理組
織学的評価より優れていることを示した。また、ドナー卵子による胚移植不成功の患者にERA 検査を行い、着床の
窓が開いている時期に合わせた胚移植(pET,personalized ET)を行ったところ、有意に臨床的妊娠率が上昇した。こ
れら一連の報告はこれまでの生殖医療の発展の中でも極めて重要なものであるが、更なる診断精
度向上が求められている。
最近アメリカCooper Surgical 社のERPeakSM検査が本邦でも施行可能となった。ERAはnext-generation
sequencing を用いて解析しているが、ERPeakSM ではRT-qPCR を用いており、またERA は248 の解析遺伝子数
であるのに対し、ERPeakSM は着床の窓の鍵となる48の遺伝子に的を絞ることで、ノイズが少なくなり、診断精度向
上を期待でき、実際に再検査率が低いとされる。
そこで本研究は、新たな子宮内膜胚受容能検査であるERPeakSM 検査の結果をもとに行なったpET が妊娠予
後改善に寄与するかを検討し、新たな子宮内膜胚受容期検査の有効性を検証することを目的とする。

(概要)
1) 対象:反復着床不全の患者、また卵巣機能不全や高齢など貴重胚移植予定患者にも適応とする。
2) 実施方法:通常診療として実施されるホルモン補充による凍結融解胚移植のプロトコール通りに内膜環境を整
え、黄体ホルモン補充開始日をP+0 とすると、着床の窓の期間に発現するReceptive 遺伝子があるとされるP+5
にエンドサクション(八光)等による内膜採取を行う。ERPeakSM の結果判定は、pre-receptive( 受容期前) 、
receptive(受容期)、post-receptive(受容期後)、non-receptive(非受容期)の4 段階評価であり、そのERPeakSM
解析結果をもとに、次周期以降に着床の窓に合わせた胚移植(personalized embryo transfer, pET)を施行し、妊
娠の有無を判定する。
3) 分析結果の評価とその後の移植計画策定
この手技を用いた群と用いなかった患者群を比較し、その臨床的妊娠率、生産率等を比較する。

(効果)
胚移植あたりの臨床妊娠率、生産率の上昇および流産率の低下

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