資料 先-3-2○先進医療技術の科学的評価等について (76 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00063.html |
出典情報 | 先進医療会議(第127回 12/7)《厚生労働省》 |
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・ICS 群の精子選別は、PVP の上端まで泳ぎ上がった中で形態の良好な精子を培養士が目で見て行う。
・PICSI 群の精子選別は、SpermSlowTM とGamete Buffer のドロップの境界でヒアルロン酸の3 次元ネット構造に
捕まり限りなくゆっくり動いている精子を選んでいく。
・精子の注入を終えた卵子は、single step medium を使用し30μℓでドロップ培養を行う。
5)胚凍結と胚移植
・培養5 日目から6 日目に胚盤胞になった胚をvitrification 法で凍結保存する。
・胚移植は原則として凍結融解単一胚移植にて行い、移植の際はグレードの高い胚盤胞から優先的に移植し両群
に偏りが生じないように注意して行う。
6)評価項目と評価タイミング
・評価する項目と評価するタイミングは以下の通り行う。
① Day1
正常受精の確認。雌性前核と雄性前核の両方が確認できた胚(2PN 胚)を正常受精卵と判断する。
受精率は、正常受精卵数/MⅡ卵子数×100 (%)で算出する。
② Day3
形態評価によりグレード1 胚率を求める。Veeck の分類に基づきDay3 における胚の分割速度も考慮し、割球の数
は6 細胞以上、割球の大きさが均等でfragment の無い胚をグレード1 胚とする。グレード1 胚率は、グレード1 胚
数/正常受精卵数×100 (%)で算出する。
③ Day5
Gardner の分類に基づき、胚盤胞の形態評価を行う。3BB 以上の胚盤胞へ発生した割合を求める。胚盤胞到達率
は、3BB 以上の胚盤胞数/継続培養数×100 (%)で算出する。
④ 妊娠率と流産率
移植後14 日目前後の血中hCG 濃度が陽性で、移植から6~8 週の時点で胎嚢(GS)が確認できた時点で臨床的
妊娠と判断し、妊娠率を求める。妊娠率は、臨床的妊娠数/移植数×100 (%)で算出する。臨床的妊娠後、流産が起
きた場合は流産率として記録する。流産率は、流産数/臨床的妊娠数×100 (%)で算出する。
⑤HBA スコア
処理後の精子をICSI またはPICSI に使用する前にHBA○R Assay を用いてHBA スコアを求める。HBA スコアは
合計で200 個の精子をカウントし、ヒアルロン酸に結合した運動精子/ヒアルロン酸に結合した運動精子+ヒアルロン
酸に結合していない運動精子×100(%)で算出する。
(効果)
ICSI 後に反復流産や着床不全を経験した患者を対象に、ICSI 群とPICSI 群の成績を前方視的かつ無作為に比
較することでPICSI が胚発育能を向上させ流産率を低下させるために有効であるのかを示すことができるようにな
る。それによって、ICSI 後に反復流産や着床不全を経験した患者に次回採卵時の治療選択としてPICSI の情報を
提供することが可能となる。奇形精子患者においても、射出精子の中に含まれている成熟精子をPICSI で選別し卵
子に注入することが可能となり、結果的に流産率の減少が期待できるようになると考えられる。
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