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資料 先-3-2○先進医療技術の科学的評価等について (23 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00063.html
出典情報 先進医療会議(第127回 12/7)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療告示10>
細菌又は真菌に起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)

適応症
前房蓄膿、前房フィブリン、硝子体混濁又は網膜病変を有する眼内炎
内容
(先進性)
細菌感染による眼内炎は数時間~数日の単位で進行し失明の危険が高い疾患である。細菌性眼内炎の治療は
抗生物質の局所投与、全身投与、硝子体手術などが行われるが、早期に適切な治療がなされなければ、網膜に不
可逆的な障害がおこり、最終的にその約半数が失明に至る。(Ophthalmology 2000;107:1483-91) したがって、迅速
な診断は早急な治療に不可欠である。現在の細菌性眼内炎の診断は臨床所見を参考に細菌培養を保険診療で行
う事ができ、陽性ならば確定診断に至る。しかし培養は本検査法に比べ細菌培養陽性率が低く(40~50%)確定診
断に至らないため経験的治療で対処せざるを得ない症例が多数ある。また結果が出るまでに 1~3 日程度の時間
を要する。細菌性眼内炎は数時間単位で病状が進行するため、結果を待っていると治療が遅れる可能性が高い。
それに比べて今回の診断技術は、眼局所から得られる微量(涙液、前房水は 0.1mL)な検体(涙液、前房水、硝子
体など)より DNA を抽出し、定量 PCR を用いて細菌 16S 領域の DNA 量を測定するものである。細菌に広く保存さ
れている領域で全細菌の約 70%をカバーしており、正確な診断に基づいて迅速に強力な抗菌薬治療や外科的治
療が可能になり、失明予防に寄与するものである。PCR の陽性率は 80~90%と培養より高く、検査は短時間(DNA
抽出から結果の判定までが 100-130 分)でより迅速で、死菌でも DNA が採取できていれば陽性に出るといった新
規性があり、また臨床的に有用であるこのような診断システムは他にない。
真菌感染による眼内炎は数日~数週間の単位で進行し失明の危険が高い疾患である。真菌性眼内炎の治療は
抗真菌薬の局所投与、全身投与、硝子体手術などが行われるが、適切な治療がなされなければ、網膜に不可逆的
な障害がおこり失明に至る症例も少なくない。約2割の症例が最終的に失明に至り、適切な治療が行われなければ
死亡に至る事もある。(Expert Rev. Anti. Infect.Ther. 2011;9:1191-201) したがって、迅速な診断は適切な治療に不
可欠である。現在の真菌性眼内炎の診断は臨床所見を参考に真菌培養を保険診療で行う事ができ、陽性ならば確
定診断に至る。しかし培養は本検査法に比べ陽性率が低く(約 40%)確定診断に至らないため経験的治療で対処
せざるを得ない症例が多数ある。また結果が出るまでに 3 日程度もしくはそれ以上の時間を要する。培養検査で陰
性の場合でも臨床的に真菌性眼内炎が疑われる症例もしばしば存在するため、確定診断に至らないまま抗真菌薬
治療を数週間にわたって継続せざるを得ない事も多い。今回の診断技術は、眼局所から得られる微量な検体(前房
水、硝子体など)より DNA を抽出し、定量 PCR を用いて真菌 28S 領域の DNA 量を測定するものである。真菌に広く
保存されている領域で病原性全細菌の約 70%をカバーしており、正確かつ迅速な診断に基づいて適切な抗真菌
薬治療や外科的治療を早期に開始することが可能になり、失明予防に寄与するものである。すなわち、今回の診断
技術(PCR)の陽性率は 80~90%と培養より高く、検査は短時間(DNA 抽出から結果の判定までが 100-130 分)でよ
り迅速で、死菌でも DNA が採取できていれば陽性に出るといった新規性がある。

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