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資料 先-3-2○先進医療技術の科学的評価等について (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00063.html
出典情報 先進医療会議(第127回 12/7)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療告示4>
抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査

適応症
悪性脳腫瘍
内容
現在、悪性腫瘍に対する抗癌剤化学療法は、画一的に同じ組み合わせで行われている。しかし、抗癌剤に対する
感受性は個々の腫瘍によってそれぞれ異なり、また、同一患者においてもステージによっても感受性は異なる。
分子生物学の発展により、近年、いくつかの抗癌剤耐性遺伝子が同定解析されている。それぞれの耐性遺伝子が
どの抗癌剤に対して耐性を発揮するか、また、どの抗癌剤を使用したあとに発現しやすいかなども報告されてきてい
る。主な抗癌剤耐性遺伝子としてmultidrug resistant-1(MDR-1)、multidrug resistant associated protein (MRP)、
topoisomerase Ⅰ、topoisomeraseⅡ、multispecific Organic Action Transporter (C-MOAT)、mitoxantrone resistant
gene (MXR)などがあげられる。MDR-1はビンクリスチン、アドリアマイシンなどを、MRPはエトポシド、アドリマイシンな
どを細胞外へ排出することにより耐性を獲得する。topoisomerase ⅠとtopoisomeraseⅡは、それぞれターゲットとする
抗癌剤、つまりカンプトテシンとエトポシドの感受性を反映する。C-MOAT、MXRはそれぞれエトポシド、ミトキサントロ
ンを細胞外へ排出すると言われている。
手術中に得られた組織からRNAを抽出し、reverse transcription polymerase chain reaction (RT-PCR)により、上記
遺伝子の腫瘍細胞内のメッセンジャーRNA量を定量する。その結果にもとづき、より感受性のあるとも思われる抗癌
剤を選択することにより高い効果を得、また、感受性の少ないと思われる抗癌剤を使用しないことにより、不必要な副
作用を避けることができる。また、再発時には、その時に得られた組織を再び解析することにより、耐性となった抗癌
剤の使用を避け、新たな組み合わせで初回時と同様の効果を得ることができる。手術摘出された腫瘍を解析し、現
在臨床で使用されている抗癌剤の中から有効と思われる薬剤を選択するというものであり、患者に本方法による有害
事象は起こらない。
本方法は脳腫瘍のみならず、他臓器の固形悪性腫瘍および血液癌にも応用可能である。

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