資料 先-3-2○先進医療技術の科学的評価等について (63 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00063.html |
出典情報 | 先進医療会議(第127回 12/7)《厚生労働省》 |
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る。かれらは、day5移植例のhCG 濃度が低値であるのは長期培養による胚へのダメージが原因であると考察してい
るが、胚と子宮内膜のクロストークの開始がday5移植ではday3移植に比べて遅れるために生じたことに起因する着
床遅延によるものと考えることもできよう。私どもの研究においても、妊娠判定日(day30)におけるhCG 値がSEETで
はBTと比べ有意に高値となったことより、BTに対し、SEETでは培養液注入時よりクロストークが開始するため、適時
着床が成立しBTと比較して着床時期が早くなったことが推察できる。SEET は胚由来因子により子宮内膜の
implantation window に作用し胚受容能
を亢進している可能性があると考えている。
SEETは簡便で副作用もなく、BTと比較して妊娠率・着床率が高くなるため、臨床的に有用な移植法となりうると考
えている。
(概要)
対象:胚移植を必要とする不妊症
方法:
体外受精により作出された受精卵を体外で5~6 日間培養し、得られた胚盤胞は一旦凍結保存する。この際に体外
培養に使用された培養液(当院ではSAGE 1-Step メディウムを約50~100㎕使用)を、胚盤胞とは別の容器に封入し
た後に凍結保存しておく。この培養液(リンス液と
いう)の中に、受精卵が成長する過程に排出される伝達物質が含まれていると考えられる。
胚盤胞移植(凍結融解胚移植)は自然排卵周期またはホルモン補充周期で行う。
自然排卵周期の場合は月経開始10日目頃より数回の診察を経て排卵日が確定すれば、排卵後2~3日目にリンス
液を子宮内に注入する。さらに排卵後4~5日目に凍結保存した胚盤胞を1個融解して移植を行う。
ホルモン補充周期では月経開始2日目から卵胞ホルモン製剤の投与を開始し、月経12~14日目の診察でホルモン
値や子宮内膜厚の確認後問題なければ月経15日目より黄体補充を開始する。黄体補充開始後2~3日目に、リンス
液を子宮内に注入する。さらに黄体補充開始後4~5日目に、凍結保存しておいた胚盤胞を1個融解して移植を行
う。
排卵または黄体補充開始後15 日目頃に血中hCG を測定し妊娠判定を行う。妊娠判定が陰性であれば、観察は
終了とする。
妊娠判定が陽性となれば、引き続き経過を観察し超音波検査により胎嚢が確認できれば臨床妊娠と判定し観察終
了とする。胎嚢が確認できなければ化学流産として観察は終了とする。
(効果)
妊娠率の向上が期待できる。
(先進医療にかかる費用)
先進医療にかかる費用は39,910円である。
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