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資料 先-3-2○先進医療技術の科学的評価等について (115 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00063.html
出典情報 先進医療会議(第127回 12/7)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療告示B①>
NKT細胞を用いた免疫療法

適応症
非小細胞肺がん完全切除例で,病理病期 II-IIIA 期,シスプラチン+ビノレルビンによる術後補助療法後
内容
(先進性)
本治療は末梢血単核球由来の培養細胞にNKT細胞特異的リガンドを提示させて投与し内在性NKT細胞を活性
化させ抗腫瘍効果を得る新規の免疫細胞治療である。低侵襲で安全に免疫全体を賦活化し,生存期間を延長でき
る画期的な治療と期待される。

(概要)
原発性肺がんは年間死亡者数が7万人を超えて更に増加傾向であり,その大半を占める進行期症例は化学療法
により治療されるものの治癒は困難である。完全切除後肺がんに用いられる補助化学療法としての抗がん剤には,
シスプラチン,ビノレルビンなどが用いられ,再発死亡率を減少させることが証明されているが,それは10~20%程度
と不充分である。NKT細胞は特異的リガンドであるαガラクトシルセラミドにより活性化すると強力な抗腫瘍効果を示
すと同時に,他の免疫担当細胞を活性化するアジュバント効果を示し,抗腫瘍効果を発揮する。体内NKT細胞の活
性化を誘導するために,末梢血から成分採血で単核球を採取して1〜2週間培養を行い,樹状細胞を誘導する。投
与前にαガラクトシルセラミドを樹状細胞に提示させ,本人の静脈内へ培養1週目と2週目に点滴投与する。投与さ
れたαガラクトシルセラミド提示細胞が体内NKT細胞を活性化し,抗腫瘍効果を発揮する。進行期または再発非小
細胞肺がん患者に対して,本治療法を開発した千葉大学において2001年以降,24例の臨床試験の報告がなされて
いる。本試験の目的は,II-IIIA期非小細胞肺がん完全切除例で,術後補助化学療法後にαガラクトシルセラミドパ
ルス樹状細胞を用いた免疫療法の有無で2群にランダム化する第II相試験を行い,無再発生存期間を主要評価項
目として,その有効性,安全性を検討し,新たな治療の選択法を開発することである。予定組み込み症例は片群28
例、両群56例である。総試験期間は5年を予定している。

(効果)
非小細胞肺がんの術後補助療法として低侵襲で重篤な副作用を認めず安全に施行でき,生活の質を保ったまま生
存期間を延長できる可能性がある。

(先進医療に係る費用)
典型的な症例の場合の総費用は4,930,258円、先進医療に係る費用は4,285,188円である。先進医療に係る費用

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