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資料2 看護学教育モデルコアカリキュラム改訂に向けた調査研究の報告 (13 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00003.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第3回 6/20)《文部科学省》
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看護学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方
一般社団法人日本看護系大学協議会

4.臨地実習における質保証に向けて
⚫ 保健師助産師看護師法は、看護師以外の者が看護行為を行うことを禁じており、看護師免許を有しない看
護学生は、看護行為を実施すると抵触する。一方、保健師助産師看護師学校養成所指定規則によって、学生
は臨地実習を行う義務がある。このように、臨地実習における学生の看護行為の実施には矛盾がある。
⚫ 「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書」(厚生労働省,2003年)は、看護学生の
看護行為の実施に関する違法性阻却の条件として、①患者・家族の同意のもとに実施されること、②看護教
育としての正当な目的を有するものであること、③相当な手段、方法をもって行われること、④法益侵害性
が当該目的から見て相対的に小さいこと、⑤当該目的から見てその行為の必要性が高いこと、を示した。
⚫ 臨地実習に関するアンケート調査【A調査】(JANPU, 2022年)から、「75%以上の学生が経験」との回答
肢を、70%以上の大学が回答した技術項目は、療養上の世話の技術33項目のうち2項目、診療の補助の
技術(20項目)は0項目であり、臨地実習において看護技術が実施できていない現状が示された。看護学
生の看護行為は、違法性の阻却の条件が示されたが、医療安全が優先された可能性が考えられた。
⚫ 臨地実習は、大学教員、実習施設の指導者、学習する学生により成立する教授学習過程であり、大学と実習
施設の連携と協働が基盤となっているが、連携方法は各大学に委ねられている。大学教員は、看護師免許
を有するものの、所属施設ではない実習施設での看護行為の実施は、大学と実習施設間の契約書及び患
者・利用者からの同意書のみに依拠しており、大学教員の立場や責任が不明瞭であることが懸念される。

⚫ 看護学教育の質保証の観点としては、臨地実習における教育体制や指導体制の確保、さらには看護学生の
実践能力を評価する評価者の確保の課題がある。
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