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介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き 令和7年3月 (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/001452998.pdf
出典情報 介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き(3/25)《厚生労働省》
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ケアの基本
ケアの基本は本人の意思の尊重
ケアの決定と実施にあたっては、認知症の症状にかかわらず、本人には意思があり、意思決定能力を有することを前提にし
て、本人の意思決定を支援する必要がある。認知症の本人は、言語による意思表示が上手くできないことが多く想定されるた
め、認知症の人の意思決定支援に関わる全ての人は、認知症の本人の身振り手振り、表情の変化も意思表示として読み取る努力
を最大限に行うことが求められる。
※詳しくは「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」
(厚生労働省)を参照

5つの基本的なケア
意思決定支援とともに、以下のケアを実行することにより、点滴をしなければならない状況や、転倒しやすい状況をつくらな
いようにすることが重要である。

1 起きる
人間は座っているとき、重力が上からかかることにより覚醒する。目が開き、耳が聞こえ、自分の周囲で起こっ
ていることが分かるようになる。これは仰臥して天井を見ていたのではわからない。起きるのを助けることは人
間らしさを追求する第一歩である。

2 食べる
人にとって食べることは楽しみや生きがいであり、脱水予防、抵抗力の維持向上にもなり、点滴や経管栄養が不
要になる。食べることはケアの基本である。

3 排せつする
なるべくトイレで排せつしてもらうことを基本に考える。オムツを使用している人については、随時交換が重
要である。オムツに排せつ物が付いたままになっていると気持ち悪く、
「オムツいじり」等の行為につながること
になる。

4 清潔にする
きちんと風呂に入ってもらうことを基本に考える。皮膚が不潔なことがかゆみの原因になり、そのために大声
を出したり、夜眠れずに不穏になったりすることになる。皮膚をきれいにしておけば、本人も快適になり、また、周
囲も世話をしやすくなり、人間関係も良好になる。

(アクティビティ)
5 活動する
その人の状態や生活歴に合ったよい刺激を提供することが重要である。具体的には、音楽、工芸、園芸、ゲーム、
体操、家事、ぺット、テレビ等が考えられる。言葉によるよい刺激もあれば、言葉以外の刺激もあるが、いずれにせ
よ、その人らしさを追求するうえで、心地よい刺激が必要である。

「身体拘束ゼロへの手引き」
(平成13年3月 厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」)一部改変

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