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【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2021 (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29073.html
出典情報 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第10回 11/21)《厚生労働省》
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③ 薬剤耐性菌感染症
データ元:感染症発生動向調査事業(NESID)
NESIDにおける2019年までの各年の届出症例数は確定報告データとして公開されている。2013年
以降の報告数を以下に示す。届出対象は、分離菌が感染症の起因菌と判定されるか、通常無菌的であ
るべき検体からの検出である場合となっており、いわゆる保菌は届出対象ではない。
全数把握対象疾患のうち、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症は、2013年から2016年まで
50-60例で推移していたが、2017年以降はやや増加し年間80例程度が報告されている。バンコマイシ
ン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症は届出対象となった2003年11月5日以降報告はない。カルバ
ペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)感染症については、2014年9月19日より届出対象となり、2019
年には2,333例が報告され、過去最多の報告数であった。多剤耐性アシネトバクター属(MDRA)感
染症は、2011年2月より基幹定点医療機関からの届出対象疾患として把握が開始されたが、2014年9
月19日より全数把握対象疾患となり、毎年20-40例の報告で推移しており、2019年は24例が報告され
た。
CRE 感染症については、2017 年 3 月の厚生労働省健康局結核感染症課長通知により、届出症例よ
り分離された菌株について地方衛生研究所等で PCR 法によるカルバペネマーゼ遺伝子等の試験検査
が実施されている。2019 年は 1,799 株の結果が報告され、いずれかのカルバペネマーゼ遺伝子が検
出された株は 296 株(16.5%)で、国内型カルバペネマーゼ遺伝子の IMP 型が 263 株(88.6%)と大
半を占めた。IMP 型検出株の菌種や IMP 遺伝子型別は、2017 年及び 2018 年と同様の地域特性を示
した。
基幹定点医療機関(全国約 500 か所の病床数 300 以上の医療機関)が届出を行う薬剤耐性菌感染
症については、MRSA 感染症は 2011 年以降、報告数及び定点あたり報告数ともに減少し続けていた
が、2016 年以降下げ止まっており 2019 年には 16,241 例が報告された。多剤耐性緑膿菌(MDRP)
感染症は 2012 年~2017 年に減少傾向であったが、2017 年以降報告数は横ばいであり、2019 年の報
告数は 127 例であった。ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症は報告数及び定点あたり報告数と
もに引き続き減少傾向を示している。
ⅰ. 全数把握対象疾患
表 15 全数把握対象疾患の報告数推移、2013-2019(件)
2013

2014

2015

2016

2017

2018

2019

VRE

55

56

66

61

83

80

80

VRSA

0

0

0

0

0

0

0

CRE

-

314*

1,673

1,573

1,660

2,289

2,333

MDRA

-

15*

38

33

28

24

24

*2014年9月19日からの報告数。-:調査を実施していない区分。

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