【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2021 (45 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29073.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第10回 11/21)《厚生労働省》 |
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データ元:AMRCRC
AMRCRC では、厚生労働科学研究費補助金を用いて、高齢者施設における医療関連感染症および
抗菌薬使用に関する調査を行っている 9。
ⅰ. 医療療養病床
日本慢性期医療協会加盟より無作為に医療療養病床 1,175 施設を抽出し、Point Prevalence Survey
(PPS)を行った(2020 年 1 月調査)。回収は 80 施設(回収率 7.8%)であった。患者年齢の中央
値は、84.0 歳(78 , 90)だった。男性患者の年齢の中央値は、82.0 歳(75 , 87.8)、女性患者の年齢
の中央値は、87.0 歳(80.8 , 92)だった。感染巣の上位は、「肺炎」199 人(39.5%)、「尿路感染
症」135 人(26.8)、「気管支炎」19 人(3.8%)であった。主に使用される抗菌薬は、注射第 3 世
代セファロスポリン系、経口キノロン系、カルバペネム系、ペニシリン系であった。
ⅱ. 介護老人保健施設(老健)
全国介護老人保健施設協会加盟より無作為に 1,500 施設を抽出し、PPS を行った(2019 年 2 月調
査)。回収は 134 施設(回収率 8.9%)であった。
調査日の施設における入所者総数は 10,148 人だった。うち、172 人(1.7%)が抗菌薬を使用して
いた。年齢中央値は 86.0 歳(IQR:81-91)、男性中央値は 84.0 歳(IQR:75-89)、女性中央値は
87.0 歳(IQR:83-92)であった。感染巣の上位は、「尿路感染症」73 人(47.7%)、「肺炎」31 人
(20.3%)、「上気道炎」15 人(9.8%)であった。尿路感染症および肺炎で主に使用される抗菌薬
は、フルオロキノロン系および第3世代セファロスポリン系であった。
ⅲ. 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
全国老人福祉施設協議会加盟より無作為に介護老人福祉施設 1,500 施設を抽出し、PPS を行った
(2020 年 3 月調査)。回収は 139 施設(回収率 9.3%)であった。年齢中央値は 90.0 歳(IQR:
85,93)、男性中央値は 80.5 歳(IQR:76,90)、女性中央値は 92.0 歳(IQR:87,93)であった。感
染巣の上位は、「尿路感染症」23 人(31.17%)、「肺炎」11 人(14.9%)、「上気道炎」9 人
(12.2%)であった。尿路感染症で主に使用される抗菌薬は、経口キノロン系、肺炎で主に使用され
る抗菌薬は、注射用第3世代セファロスポリン系であった。
表 44 療養病床および高齢者施設における抗菌薬使用状況
施設
[回答施設数]
医療療養病床
(医療機関)
[82]
介護老人保健施設
(老健)
[126]
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
[137]
抗菌薬使用率
抗菌薬使用された主要感染症
(調査日の抗菌薬使用者/入所者)
肺炎
9.4%
(39.5%)
尿路感染症(26.8%)
(630/6,729)
気管支炎
1.7%
(172/10,148)
(3.8%)
(94/9,044)
44
(全感染症)
注射第 3 世代セファロスポリン系
経口キノロン系
カルバペネム系
ペニシリン系
尿路感染症(51.3%)
第 3 世代セファロスポリン系
肺炎
キノロン系
(24.3%)
上気道炎 (9.9%)
1.0%
主要抗菌薬種類
ペニシリン系
尿路感染症(31.1%)
注射第 3 世代セファロスポリン系
肺炎
(14.9%)
経口キノロン系
上気道炎
(12.2%)
経口ペニシリン系