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【資料3】日米欧における医薬品の品質管理・製造管理に関する調査の状況(令和4年度欧米の薬事制度に関する調査・整理業務 調査結果) (29 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30030.html |
出典情報 | 医薬品等行政評価・監視委員会(第10回 12/27)《厚生労働省》 |
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【4. 査察・調査の実施方法・内容】米国では、監視査察対象の決定のために用いられる
SSMとは別に、医薬品の製造業者が品質管理システムを発展させていくインセンティブとし
てQMM評価システムの検討も進んでいる
(参考)QMM評価システムの検討
◼ 品質管理成熟度( Quality Management Maturity(QMM))とは、医薬品の製造業者が、品質目標を達成し、継続的な改善を促進するため
の、一貫性と信頼性のある堅牢なビジネスプロセスを有している際に達成される状態を指す
◼ 医薬品不足の根本的な原因は、製造業者が単にcGMPを遵守するだけでなく、成熟した品質管理システムを発展させていくインセンティブが無いこと
にあるとの連邦政府タスクフォースの指摘*を受けたことで、CDERはQMM評価システムの開発を提案した
◼ FDAは仕組みを開発するにあたって、アセスメントツールや方針、業界にとってのインセンティブ、透明性、及びコミュニケーション方法の標準化を検討し
ており、ステークホルダーと協働を進めている
◼ QMM評価システムは堅牢な医薬品サプライチェーンと、医薬品製造における品質へのコミットメントの強化を促進するとされており、各関係者に関して
のメリットとして以下が挙げられている
<QMMにおけるQuality Metrics(品質指標)データの位置づけ>
各関係者
メリット
医薬品の
製造業者
•
•
積極的なパフォーマンスが認知される
「良い製造業者(Good actors)」が報われる
購入者
•
•
意思決定に際してサプライチェーンの透明性が向上する
FDAの知見と非公表のデータに裏付けされた品質評価を
得られる
薬局
•
•
サプライチェーンの透明性が向上する
需要に応えられないリスクや医学的エラーのリスクが減少
する
支払者
•
•
意思決定に際してサプライチェーンの透明性が向上する
医薬品の不足への対応が減る
供給者
(医療機関)
•
•
患者に影響を与える医薬品の不足リスクが減少する
処方する医薬品の供給についての不安が軽減される
患者
•
•
治療に影響を与える医薬品の不足リスクが減少する
医薬品の利用可能性についての不安が軽減される
• Quality Metricsは医薬品業界全体の品質コントロールシステムとプ
ロセスの監視のための指標として位置付けられている
• FDAは2018年から、自発的なフェーズとして医薬品や原薬の製造業
者等からQuality Metricsデータの収集を開始しており、2018年の自
発的なフェーズの結果を踏まえて必須のQuality Metrics報告プログ
ラムを開発するとされている
※現時点で必須とされるQuality Metrics報告プログラムについての情報は見
つかっていない
• 報告データの内容としては、報告データの収集の開始日・終了日、
報告する医薬品の試行ロット数、不合格となったロット数、試験の
結果規格外となった件数等が挙げられている
• QMMは、Quality Metricsとその他の要素を組み合わせたより全体
的なものとなるが、 Quality Metrics はQMMプログラムの開発におい
て重要な要素になるとされている
出所:FDA CDER Quality Management Maturity、FDA Drug Shortages: Root Causes and Potential Solutions 2019、FDA An Office of Pharmaceutical Quality (OPQ) White
Paper、Submission of Quality Metrics Data; Draft Guidance for Industry; Availability; Request for Comments、QUALITY METRICS TECHNICAL CONFORMANCE GUID
*:米国では、2013年から2017年の間に起こった医薬品不足に関する分析レポートが発行されている。その中で、医薬品不足の根本原因の1つは医薬品の購入者が医薬品が製
造される施設の品質管理状態について限られた情報しか持っておらず、品質管理の成熟度が価格に転嫁されないため、製造業者は製造品質を向上させるための投資を最小限
29 のものとし、結果として品質問題が発生することだと報告されている
SSMとは別に、医薬品の製造業者が品質管理システムを発展させていくインセンティブとし
てQMM評価システムの検討も進んでいる
(参考)QMM評価システムの検討
◼ 品質管理成熟度( Quality Management Maturity(QMM))とは、医薬品の製造業者が、品質目標を達成し、継続的な改善を促進するため
の、一貫性と信頼性のある堅牢なビジネスプロセスを有している際に達成される状態を指す
◼ 医薬品不足の根本的な原因は、製造業者が単にcGMPを遵守するだけでなく、成熟した品質管理システムを発展させていくインセンティブが無いこと
にあるとの連邦政府タスクフォースの指摘*を受けたことで、CDERはQMM評価システムの開発を提案した
◼ FDAは仕組みを開発するにあたって、アセスメントツールや方針、業界にとってのインセンティブ、透明性、及びコミュニケーション方法の標準化を検討し
ており、ステークホルダーと協働を進めている
◼ QMM評価システムは堅牢な医薬品サプライチェーンと、医薬品製造における品質へのコミットメントの強化を促進するとされており、各関係者に関して
のメリットとして以下が挙げられている
<QMMにおけるQuality Metrics(品質指標)データの位置づけ>
各関係者
メリット
医薬品の
製造業者
•
•
積極的なパフォーマンスが認知される
「良い製造業者(Good actors)」が報われる
購入者
•
•
意思決定に際してサプライチェーンの透明性が向上する
FDAの知見と非公表のデータに裏付けされた品質評価を
得られる
薬局
•
•
サプライチェーンの透明性が向上する
需要に応えられないリスクや医学的エラーのリスクが減少
する
支払者
•
•
意思決定に際してサプライチェーンの透明性が向上する
医薬品の不足への対応が減る
供給者
(医療機関)
•
•
患者に影響を与える医薬品の不足リスクが減少する
処方する医薬品の供給についての不安が軽減される
患者
•
•
治療に影響を与える医薬品の不足リスクが減少する
医薬品の利用可能性についての不安が軽減される
• Quality Metricsは医薬品業界全体の品質コントロールシステムとプ
ロセスの監視のための指標として位置付けられている
• FDAは2018年から、自発的なフェーズとして医薬品や原薬の製造業
者等からQuality Metricsデータの収集を開始しており、2018年の自
発的なフェーズの結果を踏まえて必須のQuality Metrics報告プログ
ラムを開発するとされている
※現時点で必須とされるQuality Metrics報告プログラムについての情報は見
つかっていない
• 報告データの内容としては、報告データの収集の開始日・終了日、
報告する医薬品の試行ロット数、不合格となったロット数、試験の
結果規格外となった件数等が挙げられている
• QMMは、Quality Metricsとその他の要素を組み合わせたより全体
的なものとなるが、 Quality Metrics はQMMプログラムの開発におい
て重要な要素になるとされている
出所:FDA CDER Quality Management Maturity、FDA Drug Shortages: Root Causes and Potential Solutions 2019、FDA An Office of Pharmaceutical Quality (OPQ) White
Paper、Submission of Quality Metrics Data; Draft Guidance for Industry; Availability; Request for Comments、QUALITY METRICS TECHNICAL CONFORMANCE GUID
*:米国では、2013年から2017年の間に起こった医薬品不足に関する分析レポートが発行されている。その中で、医薬品不足の根本原因の1つは医薬品の購入者が医薬品が製
造される施設の品質管理状態について限られた情報しか持っておらず、品質管理の成熟度が価格に転嫁されないため、製造業者は製造品質を向上させるための投資を最小限
29 のものとし、結果として品質問題が発生することだと報告されている