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別紙1○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00055.html
出典情報 先進医療会議(第119回 3/2)《厚生労働省》
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様式第5号

先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:着床前胚異数性検査
適応症:胚移植を受ける不妊症患者のうち、以下の①~③の選択基準のいずれかを満たす者
① 反復する体外受精又は顕微授精・胚移植(ART)の不成功の既往を有する者
② 反復する流死産の既往を有する者


患者もしくはそのパートナーいずれかの染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認さ

れている場合
内容:
(先進性)
近年、体外受精で胚移植可能となるまで十分に発育した胚を移植しても、妊娠しない、または流
産する症例が多く、特に年齢が高くなるとその傾向が顕著であることが課題とされている。移植
可能な状態まで発育した胚の半数以上に染色体の数的異常が認められ、結果的に子宮に戻しても
着床しない、または着床しても流産に至ることが明らかとなってきた。晩婚、晩産化が顕著な我
が国では、繰り返し体外受精-胚移植(ART)を行うことの身体的、精神的、経済的、社会的負担
が無視できない状況となっている。加えて、妊娠しても流産となった場合には流産手術を要し、
さらに身体的、精神的、経済的負担を負うこととなる。一方、移植する前に胚の異数性を含む着
床能、発育能を判定することができれば、これらの負担を回避できるとの考えに基づいて導入さ
れたのが、着床前胚異数性検査(PGT-A)である。PGT-A によって胚染色体数を移植前に評価し、
着床、発育がより期待できる胚を移植することで、ART の成功率を高め流産を回避できる可能性
があると考えられている。
(概要)
卵巣刺激、採卵は各施設が行っている通常の ART の方法にて実施する。受精後一定期間培養し
た後に、胚盤胞の栄養外胚葉細胞 trophectoderm の一部を生検し、各研究機関からタカラバイオ
社の衛生検査所へ移送する。生検された細胞の DNA を増幅し、NGS 法により染色体数的異常の有
無の検出を行う。その後、各研究機関において、改めて患者に解析結果を説明し、胚の形態評価
などの従来の胚の評価方法もあわせて説明した上で「移植可能胚(A,B)」とされた胚から移植に
用いる胚を選択する。これらは、あくまで移植の可否を考えるにあたり参考にするための判定で
あり、実際に胚を移植するかしないかに関しては、患者とそのパートナー(以下、カップル)と
担当医師との話し合いの中で、カップルが自律的に意思決定する。移植胚数は単一とする。PGTA により日本産科婦人科学会が提示する胚診断指針に沿って A,B 判定と診断された胚を得られ、
初回凍結胚移植を実施する症例を「胚移植実施集団」とし、胚移植実施集団における妊娠 12 週
時の継続妊娠率(生児獲得率と同等と推定する)を評価する。
(効果)
本法の実施によって、胚移植あたりの着床率・妊娠率が高まり流産率は低下するなど、体外受
精・胚移植の臨床成績の向上が期待できる。加えて、流産手術を回避できるという点で、身体的、
精神的、経済的負担の軽減につながると考えられる。
(先進医療にかかる費用)
先進医療にかかる費用は 120,400 円である (2受精胚目以降は、1受精胚当たり 66,400 円と
する)。

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