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【参考資料6】成人と合わせて評価可能な小児(10歳又は12歳以上の小児)の臨床評価の留意点について(令和2年6月30日医薬品審査管理課事務連絡) (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00028.html
出典情報 創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会(第1回 7/10)《厚生労働省》
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3.アレルギー疾患
3-1 気管支喘息
(1)病態について
喘息は、気道の慢性炎症を本態とし、可逆性を持った気道狭窄(喘鳴、呼吸困
難)や咳等の臨床症状で特徴付けられる疾患である1)。その病態は、気道では、
好酸球、リンパ球、マスト細胞などの炎症性細胞の浸潤に加えて、血管拡張、粘
膜・粘膜下浮腫が認められ、構造上の変化としては、気道上皮剥離、杯細胞増生、
粘膜下腺過形成、血管新生、上皮下線維増生(基底膜部の肥厚)や気道平滑筋の
増生などが認められる1)。
喘息には多様な原因や憎悪因子が存在し、その病像は多様であるが、病型の一
般的な分類は、環境アレルゲン特異的IgE抗体が検出されるアトピー型と、検出
されない非アトピー型に分類される。小児期発症喘息は前者が多く、成人期発症
喘息では非アトピー型が増加する1)。また、小児期発症喘息は80~90%が6歳ま
でに発症し、思春期にコントロールできていない患者は成人まで持ち越す可能
性が高いとされている。
このように喘息は、小児と成人において病型分布割合が異なるが、その成因は
気道の慢性炎症によることは同様である。その気道炎症は、好酸球をはじめとす
る種々の炎症細胞及び気道上皮細胞、線維芽細胞、筋線維芽細胞などの組織構成
細胞が遊離する炎症性メディエーターやサイトカインの直接作用、あるいは他
の細胞、神経系、接着分子を介した作用で生じると考えられている1)。
(2)治療実態について
喘息の管理目標は、①症状のコントロール(発作や喘息症状がない状態を保
つ)、②将来のリスク回避(呼吸機能の経年低下の抑制、喘息の回避など)1),2)
であり、小児と成人で違いはない。
喘息の治療薬は、喘息の症状や憎悪がなく、呼吸機能を維持するといった管理
目標の達成を目的とした長期管理薬(controller)と、急性増悪(発作)が発生し
た際の呼吸困難等を一次的に改善することを目的とした発作治療薬(reliever)に
大きく分けられる。長期管理薬を用いた治療ステップは、使用される薬剤や用量
の違いはあるが、強度から4つの強度からなっている1)。薬物治療は気道炎症の
抑制と気道拡張作用を持つものが使用される。これらの基本的な治療戦略は小
児と成人で同様である。

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成人と合わせて評価可能な小児(10 歳又は 12 歳以上の小児)の臨床評価の留意点について