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【参考資料6】成人と合わせて評価可能な小児(10歳又は12歳以上の小児)の臨床評価の留意点について(令和2年6月30日医薬品審査管理課事務連絡) (29 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00028.html |
出典情報 | 創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会(第1回 7/10)《厚生労働省》 |
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5.造血器悪性腫瘍
(1)
「小児悪性腫瘍における抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイダンス」
1)
との関係
「小児悪性腫瘍における抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイダンス」
(以下、「本ガイダンス」)では、小児悪性腫瘍の薬剤開発について以下の点を
指摘している。
標的となるタンパクの発現や遺伝子変異が小児悪性腫瘍でも存在することが
知られている場合は、当該標的分子の修飾を目的とした薬剤も国内の成人と同
時開発を行うことが望ましい。
病態が成人悪性腫瘍と同様の小児悪性腫瘍に関して、成人での開発を検討す
る段階で、小児も含めた試験を行うことについて検討することが推奨される。た
だし、その場合は、成人と小児をまとめて同一試験内で評価することが可能か否
か慎重に検討する必要がある。
本留意点は、本ガイダンスの考え方を踏まえて、対象を造血器悪性腫瘍とし、
成人と合わせて評価可能な小児の臨床評価における留意点を示すものである。
なお、本留意点で対象としない固形悪性腫瘍、脳腫瘍においても病態や薬剤の
作用機序から、本留意点の考え方を適応できる場合もある。この場合は、病態も
含めて、成人と合わせて評価することの妥当性を説明する必要がある。
(2)病態について
造血器悪性腫瘍には由来する細胞により様々な病型があり、その腫瘍化の成
因も不明なものも多いが、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病、
急性骨髄性白血病、一部の悪性リンパ腫などは一般的に成人と共通の成因、病
態であることがわかってきている。
例えば、急性リンパ性白血病に関しては、成人も小児も同様にリンパ球の分
化過程で B あるいは T/NK 系統への分化が決定したリンパ系前駆細胞での腫瘍
化と考えられる。そのうち、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血
病、11 番染色体上の KNMT2A(MLL)遺伝子と他の染色体上の遺伝子間の転
座を有する MLL 関連急性リンパ性白血病などの特徴的な染色体異常が成因と
考えられる。
また、慢性骨髄性白血病では、多能性造血幹細胞レベルの細胞に 9 番染色体
と 22 番染色体の転座が起こり、それに伴って恒常的に活性化したチロシンキ
ナーゼである BCR-ABL1 キメラ遺伝子産物が生じたことにより発症すると考え
られている。
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成人と合わせて評価可能な小児(10 歳又は 12 歳以上の小児)の臨床評価の留意点について
(1)
「小児悪性腫瘍における抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイダンス」
1)
との関係
「小児悪性腫瘍における抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイダンス」
(以下、「本ガイダンス」)では、小児悪性腫瘍の薬剤開発について以下の点を
指摘している。
標的となるタンパクの発現や遺伝子変異が小児悪性腫瘍でも存在することが
知られている場合は、当該標的分子の修飾を目的とした薬剤も国内の成人と同
時開発を行うことが望ましい。
病態が成人悪性腫瘍と同様の小児悪性腫瘍に関して、成人での開発を検討す
る段階で、小児も含めた試験を行うことについて検討することが推奨される。た
だし、その場合は、成人と小児をまとめて同一試験内で評価することが可能か否
か慎重に検討する必要がある。
本留意点は、本ガイダンスの考え方を踏まえて、対象を造血器悪性腫瘍とし、
成人と合わせて評価可能な小児の臨床評価における留意点を示すものである。
なお、本留意点で対象としない固形悪性腫瘍、脳腫瘍においても病態や薬剤の
作用機序から、本留意点の考え方を適応できる場合もある。この場合は、病態も
含めて、成人と合わせて評価することの妥当性を説明する必要がある。
(2)病態について
造血器悪性腫瘍には由来する細胞により様々な病型があり、その腫瘍化の成
因も不明なものも多いが、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病、
急性骨髄性白血病、一部の悪性リンパ腫などは一般的に成人と共通の成因、病
態であることがわかってきている。
例えば、急性リンパ性白血病に関しては、成人も小児も同様にリンパ球の分
化過程で B あるいは T/NK 系統への分化が決定したリンパ系前駆細胞での腫瘍
化と考えられる。そのうち、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血
病、11 番染色体上の KNMT2A(MLL)遺伝子と他の染色体上の遺伝子間の転
座を有する MLL 関連急性リンパ性白血病などの特徴的な染色体異常が成因と
考えられる。
また、慢性骨髄性白血病では、多能性造血幹細胞レベルの細胞に 9 番染色体
と 22 番染色体の転座が起こり、それに伴って恒常的に活性化したチロシンキ
ナーゼである BCR-ABL1 キメラ遺伝子産物が生じたことにより発症すると考え
られている。
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成人と合わせて評価可能な小児(10 歳又は 12 歳以上の小児)の臨床評価の留意点について