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【参考資料6】成人と合わせて評価可能な小児(10歳又は12歳以上の小児)の臨床評価の留意点について(令和2年6月30日医薬品審査管理課事務連絡) (17 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00028.html |
出典情報 | 創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会(第1回 7/10)《厚生労働省》 |
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(3)成人と合わせて開発が可能と考える理由
喘息は多様な原因により発症し、小児と成人において病型分布割合が異なる
が、その成因は気道の慢性炎症によることは同様である。また、成人における喘
息では、小児期発症の喘息も含まれており、この場合、思春期も含めて成人期ま
で治療が必要となる。
薬物治療も同様に炎症を抑えること、気道を拡張させることであり、薬剤の臨
床評価についても、原則、喘息症状と呼吸機能を中心とした評価が行われている。
SABA等の発作治療薬としての気管支拡張薬の治療効果は、気道閉塞の改善に
よって示される。成人における評価については、FEV1が良好な指標とされてい
る。
長期管理薬の治療効果の評価は喘息症状の改善により評価され、特に、急性増
悪は重要な指標である。長期管理薬の評価においては、FEV1等の呼吸機能検査
のみの評価では不十分であり、急性増悪等の症状の指標についても評価が必要
である。
一方、小児では、FEV1等の呼吸機能検査については、検査手技への習熟の違
い1)が評価の妥当性に影響することから、主要評価項目として採用する際には留
意が必要である。また、主要評価項目に症状スコアなど患者評価指標を用いる場
合は、小児の精神・心理面での発達段階を踏まえて、被験者自身の評価の実施可
能性及び適切性についても考慮することが必要となる。このように小児を対象
とする場合には臨床評価上考慮するべき事項があるが、小児(10歳又は12歳以上
の小児)の場合には成人と同じ評価指標を用いることが可能である。
以上から、一定の年齢以上の小児集団を成人と合わせて開発することは可能
と考えられる。
なお、欧州医薬品庁(EMA)は、小児を 6 歳未満、6 歳から 12 歳、13 歳から
17 歳の 3 群に分けたうえで、臨床試験を実施しないことの正当性が説明できな
い限り小児での臨床試験が必要で、Adolescents は薬物動態が成人と同様の場合
は成人の検証試験に組み入れることができるとしている 3)。また、最近、我が国
で小児用法・用量も含めて承認された薬剤では、12 歳以上の小児と成人を同一
の臨床試験で評価したものもみられている。
(4)対象となる年齢層について
本留意点では、総論「2.対象年齢について」の項で記載したとおり、成人の
用法・用量と同一、又はその範囲内となることが想定され、かつ、同一製剤を使
用できる小児の年齢を想定し、原則 10 歳や 12 歳以上としている。
喘息については、小児期発症の場合 80~90%が 6 歳までに発症するなど低年
齢の小児の患者も多く、小児の幅広い年齢層での用法・用量の開発が求められる
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成人と合わせて評価可能な小児(10 歳又は 12 歳以上の小児)の臨床評価の留意点について
喘息は多様な原因により発症し、小児と成人において病型分布割合が異なる
が、その成因は気道の慢性炎症によることは同様である。また、成人における喘
息では、小児期発症の喘息も含まれており、この場合、思春期も含めて成人期ま
で治療が必要となる。
薬物治療も同様に炎症を抑えること、気道を拡張させることであり、薬剤の臨
床評価についても、原則、喘息症状と呼吸機能を中心とした評価が行われている。
SABA等の発作治療薬としての気管支拡張薬の治療効果は、気道閉塞の改善に
よって示される。成人における評価については、FEV1が良好な指標とされてい
る。
長期管理薬の治療効果の評価は喘息症状の改善により評価され、特に、急性増
悪は重要な指標である。長期管理薬の評価においては、FEV1等の呼吸機能検査
のみの評価では不十分であり、急性増悪等の症状の指標についても評価が必要
である。
一方、小児では、FEV1等の呼吸機能検査については、検査手技への習熟の違
い1)が評価の妥当性に影響することから、主要評価項目として採用する際には留
意が必要である。また、主要評価項目に症状スコアなど患者評価指標を用いる場
合は、小児の精神・心理面での発達段階を踏まえて、被験者自身の評価の実施可
能性及び適切性についても考慮することが必要となる。このように小児を対象
とする場合には臨床評価上考慮するべき事項があるが、小児(10歳又は12歳以上
の小児)の場合には成人と同じ評価指標を用いることが可能である。
以上から、一定の年齢以上の小児集団を成人と合わせて開発することは可能
と考えられる。
なお、欧州医薬品庁(EMA)は、小児を 6 歳未満、6 歳から 12 歳、13 歳から
17 歳の 3 群に分けたうえで、臨床試験を実施しないことの正当性が説明できな
い限り小児での臨床試験が必要で、Adolescents は薬物動態が成人と同様の場合
は成人の検証試験に組み入れることができるとしている 3)。また、最近、我が国
で小児用法・用量も含めて承認された薬剤では、12 歳以上の小児と成人を同一
の臨床試験で評価したものもみられている。
(4)対象となる年齢層について
本留意点では、総論「2.対象年齢について」の項で記載したとおり、成人の
用法・用量と同一、又はその範囲内となることが想定され、かつ、同一製剤を使
用できる小児の年齢を想定し、原則 10 歳や 12 歳以上としている。
喘息については、小児期発症の場合 80~90%が 6 歳までに発症するなど低年
齢の小児の患者も多く、小児の幅広い年齢層での用法・用量の開発が求められる
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成人と合わせて評価可能な小児(10 歳又は 12 歳以上の小児)の臨床評価の留意点について