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【参考資料6】成人と合わせて評価可能な小児(10歳又は12歳以上の小児)の臨床評価の留意点について(令和2年6月30日医薬品審査管理課事務連絡) (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00028.html
出典情報 創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会(第1回 7/10)《厚生労働省》
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Ⅱ. 対象疾患毎の事項
1.2 型糖尿病
(1)病態について
本邦の小児 2 型糖尿病の発症率は欧米白人に比べて高く、学校検尿・糖尿病
検診による発見率は小児 10 万人当たり 2.5~3.5 人/年と報告されている。小児 2
型糖尿病の発症年齢分布をみると 9 歳から 10 万人当たり 0.5 人と増え始め、14
歳で 2.5 人とピークとなる 1)。小児 2 型糖尿病患者では小児 1 型糖尿病患者に比
べ合併症がより早期に発現するとも報告されている 2)。
糖尿病の疾患概念については、日本糖尿病学会の糖尿病診断基準検討委員会
によって1999年に発表された『糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告』に
よると、『インスリン作用の不足により起こる慢性高血糖を主徴とし、種々の特
徴的な代謝異常を伴う疾患群である。その発症には遺伝因子と環境因子がとも
に関与する。代謝異常の長期間にわたる持続は特有の合併症を来しやすく、動脈
硬化症をも促進する。代謝異常の程度によって、無症状からケトアシドーシスや
昏睡に至る幅広い病態を示す。』と定義されている。
糖尿病のうち2型糖尿病はインスリン分泌低下とインスリン感受性の低下が
主体となるものであり、日本人の糖尿病の大多数を占める。この両因子の関与の
程度は症例によって異なっており、インスリン分泌低下を主体とするものと、イ
ンスリン抵抗性が主体で、それにインスリンの相対的不足を伴うものなどがあ
る。膵β細胞機能はある程度保たれている。
小児 2 型糖尿病患者は成人 2 型糖尿病患者に比べてインスリン抵抗性を示す
肥満患者が多く 3),4)、また、診断時の年齢の中央値は 11.9 歳で、肥満を伴う 2 型
糖尿病患者は小児でもより高年齢となるとも報告されている 4)。しかしながら、
インスリン分泌低下とインスリン抵抗性が2型糖尿病の主たる成因であること
は成人と小児で同様であり、病態の基礎に本質的な違いはないと考えられる。
(2)治療実態について
「糖尿病診療ガイドライン,2019」(日本糖尿病学会編、南江堂

東京

2019、

以下「国内ガイドライン」)の「小児・思春期における糖尿病」の項において、
小児 2 型糖尿病は自覚症状が乏しいために治療の放置や中断が多く、小児 1 型
糖尿病に比較して合併症の頻度が高いこと 5)、我が国では食事・運動療法のみで
血糖コントロールが得られるのは 60~70%で、残りの症例において薬物療法が
行われていることが記載されている。
小児 2 型糖尿病の薬物療法では、糖尿病診断時の HbA1c レベルが低い場合は
α グルコシダーゼ阻害剤、中程度の場合はメトホルミンやスルホニルウレア剤、
高い場合はインスリンが用いられていること、肥満を伴う 2 型糖尿病患者では
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成人と合わせて評価可能な小児(10 歳又は 12 歳以上の小児)の臨床評価の留意点について