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学校保健委員会答申 (13 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011751.html
出典情報 令和4・5年度学校保健委員会答申「地域に根差した医師の活動である学校医活動を推進させるための具体的な方策は何か」の提出および『学校医のすすめ』発行について(6/5)《日本医師会》
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第2章

学校医の心構え、職務

1)学校医に必要な研修とは
学校医の役割は児童生徒等および教職員の健康相談・保健指導・健康診断・疾病の予防措
置、感染症や食中毒の予防のための指導や助言、学校保健計画・学校安全計画への参与、学
校の環境衛生に関する指導や助言など多岐にわたる。それらの実践にあたっては幅広い知識
と経験を持つ必要があり、そのための研修と実践が必要である。日頃より、教育に関心を持
ちながら学校医として活動することが大切である。

① 学校医に医学的知識は不可欠である。健康診断の中でも内科健康診断(内科健診)にお
いては、日常診療であまり扱うことのない項目(例えば内科医であれば成長曲線や運動
器検診など)に関する知識、あるいは学校で生じる可能性のある様々な疾患や健康問題
に対応するための医学的な研修は必要である。また健診データをどのように扱うかにつ
いて、例えば健診の精度に関することやPHRの観点からのデータ管理のあり方などに
ついて協議する場や研修が必要である。
② 学校医は予防医療に携わる。新型コロナウイルス感染症等には学校医と教育現場との連
携が必要不可欠である。その他にも小児生活習慣病やアレルギーをはじめ多くのことに
ついて教職員や生徒・保護者に対し、随時適切なアドバイスを行えるよう、公衆衛生的
な知識も学ぶ必要がある。
③ 健康教育として性教育、喫煙防止教育、がん教育などを生徒に対して行う。その際には
医学的知見だけでなく、文部科学省の学習指導要領などのガイドラインを踏まえた授業
が求められ、教育的配慮やその表現方法についての研修が必要である。
④ 学校医は生徒や教職員のメンタルヘルスに関する相談を受けることがあり、そのための
知識や産業医的な視点が必要で、それに対応した研修が必要である。今後、メンタルヘ
ルスについてますます重要性が増すと考えられ、多職種との連携や学校産業医制度の充
実も必要であり、そこで学校医が中心的役割を担うことが期待される。
⑤ 学校現場には新しい概念や制度が導入されるので、そのことを学ぶ必要がある。昨今で
言えばインクルーシブ教育、GIGAスクール構想などである。ぜひ学校医活動に必要
な多くの研修の場に参加し、やりがいを感じて学校医活動をしていただきたい。

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