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学校保健委員会答申 (31 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011751.html
出典情報 令和4・5年度学校保健委員会答申「地域に根差した医師の活動である学校医活動を推進させるための具体的な方策は何か」の提出および『学校医のすすめ』発行について(6/5)《日本医師会》
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日本臨床整形外科学会

運動器の使いすぎによる問題と運動しないことによる運動器機能不全が問題となり、平成
28(2016)年度から運動器検診が始まった。運動器検診により、側弯症、発育性股関節形成
不全(先天性股関節脱臼)、ペルテス病、大腿骨頭すべり症、腰痛分離症などの疾患を早期
発見することが出来ている。また、しゃがみ込みが出来ない、片脚立ちが出来ないなどのチ
ェックを行うことにより、運動器機能不全になっている児童生徒等を早期発見し、ストレッ
チなどの運動指導を行うことにより運動器機能不全となることを予防している。令和元
(2019)年から令和5(2023)年までの新型コロナウイルス騒動で、外出自粛による運動制
限が児童生徒等の運動器機能低下に及ぼした影響は、我々の想像を超えるものであった。ス
ポーツテストの結果に著明に現れている。また、日本臨床整形外科学会の運動器検診後アン
ケートでも、足部や足関節障害の診断が増加している。また、外出自粛が及ぼした影響は運
動だけではなく、スマホやゲームなどのスクリーンタイムの増加ももたらした。その影響は
コロナが5類相当になっても続いている。
運動時間の減少、スクリーンタイムの増加による児童生徒等の運動器の機能低下を早期発
見し改善するためには運動器検診は最適である。運動器疾患を探すだけでなく運動器の機能
低下を本人に自覚させるのに有効である。しかし、運動器の状態を指摘するだけでなく、小
児期の運動器の特徴を理解してもらい、ストレッチなどの方法を指導することも大切である。
千葉市では千葉市学校保健委員会と千葉市教育委員会が連携し、希望する学校に整形外科医
が出向いて運動器についての講演を行っている。学校医は内科・小児科医が主であるため学
校医活動に整形外科医が参加することで、運動器を理解してもらうことに役立っている。地
域に根差すには、学校医という枠にとらわれず、それ以外の科の医師が講演等で協力するこ
とにより学校医活動が全体として活発化していくことが重要と考える。
(新井

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貞男)