よむ、つかう、まなぶ。
学校保健委員会答申 (29 ページ)
出典
公開元URL | https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011751.html |
出典情報 | 令和4・5年度学校保健委員会答申「地域に根差した医師の活動である学校医活動を推進させるための具体的な方策は何か」の提出および『学校医のすすめ』発行について(6/5)《日本医師会》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
日本臨床皮膚科医会
医療は日々刻々と進化し、専門化も進んでいる。内科校医は従来から生徒の疾病や健康を
包括的に管理・指導を行っているが、眼科、耳鼻咽喉科以外にも皮膚科、整形外科、婦人科、
精神科といった分野では、専門領域に踏み込みにくい状況も少なくないと聞いている。例え
ば、学校におけるアトピー性皮膚炎の有病率は、日本学校保健会の資料によれば毎年5~
6%とされているが、実際はそれ以上に多く、20 年以上前から皮膚科専門医が皮膚疾患の
学校健診を行っている群馬県前橋市における有病率は、小学校1年生で 10%程度であり、
軽症例が見過ごされていると考えられる。また中等症以上のアトピー性皮膚炎で苦しんでい
る児童の中には、適切な対応をとられずに長年寛解に至らず、かゆみのため勉学に集中でき
ない、あるいは水泳授業に参加できないなどの支障も生じている。対応として、日本学校保
健会では「学校生活におけるアトピー性皮膚炎Q&A」の令和3年度改訂版を発行し、生物
学的製剤やJAK阻害薬などの最新治療にも言及した。これらの中には児童生徒等にも使用
可能な薬剤があり、さらに適応が低年齢にも拡大されると見込まれている。これらの薬剤の
有効性は高く、QOL改善に大きく貢献するため、使用機会が増加すると見込まれている。
皮膚科領域では、日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会、日本皮膚科学会の3学会が
協力し、学校保健における皮膚科医の活動を支援してきた。アトピー性皮膚炎、ニキビ、紫
外線対策、こどもの足育などの教材を用意し、地域での健康教育に活用している。
今後は複数の診療科が力を合わせ、その専門性を発揮し、地域において児童生徒等の疾病
対策、健康教育に関わっていく必要があると感じている。地域の皮膚科医が Always Welcome
といえる状況を構築していくことを目指し、活動を続けていきたい。
(浅井
23
俊弥)
医療は日々刻々と進化し、専門化も進んでいる。内科校医は従来から生徒の疾病や健康を
包括的に管理・指導を行っているが、眼科、耳鼻咽喉科以外にも皮膚科、整形外科、婦人科、
精神科といった分野では、専門領域に踏み込みにくい状況も少なくないと聞いている。例え
ば、学校におけるアトピー性皮膚炎の有病率は、日本学校保健会の資料によれば毎年5~
6%とされているが、実際はそれ以上に多く、20 年以上前から皮膚科専門医が皮膚疾患の
学校健診を行っている群馬県前橋市における有病率は、小学校1年生で 10%程度であり、
軽症例が見過ごされていると考えられる。また中等症以上のアトピー性皮膚炎で苦しんでい
る児童の中には、適切な対応をとられずに長年寛解に至らず、かゆみのため勉学に集中でき
ない、あるいは水泳授業に参加できないなどの支障も生じている。対応として、日本学校保
健会では「学校生活におけるアトピー性皮膚炎Q&A」の令和3年度改訂版を発行し、生物
学的製剤やJAK阻害薬などの最新治療にも言及した。これらの中には児童生徒等にも使用
可能な薬剤があり、さらに適応が低年齢にも拡大されると見込まれている。これらの薬剤の
有効性は高く、QOL改善に大きく貢献するため、使用機会が増加すると見込まれている。
皮膚科領域では、日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会、日本皮膚科学会の3学会が
協力し、学校保健における皮膚科医の活動を支援してきた。アトピー性皮膚炎、ニキビ、紫
外線対策、こどもの足育などの教材を用意し、地域での健康教育に活用している。
今後は複数の診療科が力を合わせ、その専門性を発揮し、地域において児童生徒等の疾病
対策、健康教育に関わっていく必要があると感じている。地域の皮膚科医が Always Welcome
といえる状況を構築していくことを目指し、活動を続けていきたい。
(浅井
23
俊弥)