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学校保健委員会答申 (35 ページ)

公開元URL https://www.med.or.jp/nichiionline/article/011751.html
出典情報 令和4・5年度学校保健委員会答申「地域に根差した医師の活動である学校医活動を推進させるための具体的な方策は何か」の提出および『学校医のすすめ』発行について(6/5)《日本医師会》
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日本学校保健学会

学校との連携のポイントについていくつか、学校の「状況」と「ニーズ」に分けて考えた
い。なお「状況」は学校の言語(または文化・習慣)、年間計画作成、人的・時間的余裕(の
無さ)について、
「ニーズ」は、学校から直接は求められていない「潜在的ニーズ」につい
て述べる。
まず「学校の言語」だが、これは医師が学校で仕事をする際、最初に戸惑うことではない
かと思う。医師の世界に独自の言葉があるように、学校にも独特の言葉がある。学校の教職
員は医師に話す時にもそれをそのまま使うので、意味が分からないことも多い(例えば「校
時」「校種」「特活」等の用語、皆さん分かるだろうか)
。もし意味が分からなければ躊躇な
く質問し、連携の基礎であるコミュニケーションを確実にする必要がある。なおこれは医者
側から説明する時も同様である。専門用語は避け、十分かみ砕いて説明しないと通じない。
学校の教職員は医療スタッフではないからである。
「年間計画作成」も重要ポイントである。学校は役所と同様、年度単位で動いており、年
間スケジュールは4月早々に決定され、その後の変更は難しい。健康教育でも何でも、学校
が新たに時間を割く必要のあることは、前年度に時間の余裕をもって(多分冬頃には)提案
しないと実現不可能である。なお、こうなっている理由の1つは、学校に人的・時間的余裕
がないことである。通常業務だけで手一杯で、かつ教育委員会等から毎年沢山の指示がくる
中で、急に新しいことを始める余裕のないのが学校の現状と思われる。
このような状況下では、学校側が気づけていない、また対応できていない潜在的ニーズも
少なくない。例えば運動会の「人間ピラミッド」など、外部から指摘されてようやく危険性
を検討した問題などである。またメンタルの問題では「受診先探し」の困難が多くの学校で
解決策を検討されないまま続いている。学校医には、このような潜在的ニーズに目を向けて
ほしい。
(佐々木

29

司)