よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


03 資料1-1 帯状疱疹ワクチンファクトシート (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40826.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第26回 6/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

ほか、英国の臨床研究データリンク(2001~2018 年)のデータに基づく免疫不全のない帯状疱疹ワク
チン未接種成人集団のコホート研究 25 において、年齢、性別、基礎疾患等で調整した帯状疱疹罹患後 3 か
月間の各種合併症発生のハザード比は、調整できていない交絡因子の存在の可能性に留意が必要である
が、50 歳以上群で神経合併症(ラムゼイ・ハント症候群を除く)3.13(95% CI: 2.86~3.44)、眼合併症
1.91(95%CI: 1.84~1.99)、皮膚合併症 1.55(95%CI: 1.43~1.68)、各臓器・全身合併症(肺炎、肝炎、
敗血症、肺塞栓、心筋炎等)1.27(95%CI: 1.22~1.32)と報告されている。
以下、各合併症について記載する。
・帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)
PHN は帯状疱疹の代表的な合併症で、皮膚病変が治癒した後に残存する神経障害性疼痛である。皮疹
消失後 3 か月以上にわたって疼痛が持続する場合を指す。痛みは数か月から数年にわたる。
患者によって痛みの症状や程度は異なるが、
「焼けるような」
「締め付けるような」持続性の痛みや、
「ズ
キンズキンとする」痛みを訴えることが多く、睡眠や日常生活を障害するほど重篤な場合がある。軽く触
っただけでも強い疼痛を感じることがあり、アロディニアと呼ばれる。
発症頻度は年齢や症例定義、報告によって異なるが、帯状疱疹症例の 10~50%で PHN を生じると報告
されている。加齢は PHN の重要なリスク因子である。また、年齢の他、帯状疱疹発症時の疼痛の程度、
皮疹の数も関与するとされている 8。
北海道釧路市における60歳以上の帯状疱疹に関する観察研究では、90日以上の疼痛の持続が9.2%
(95%CI: 6.6~12.4(38/412人)
)の症例で認められた24。同様に、イタリアの108施設(2009~2010年)で
実施された帯状疱疹関連疼痛に関するコホート研究では、413人の50歳以上の帯状疱疹患者のうち、370人
(89.6%)が帯状疱疹関連疼痛(急性期の疼痛を含む)を発症し、一般的なPHNの疼痛持続期間の定義と
される3か月後、6か月後の時点に疼痛を認めていた患者は、それぞれ20.6%、9.2%であった30。
また、van Wijckらの報告では、566人(年齢中央値66歳:範囲58~75歳)の帯状疱疹患者において、発
症後4年間にわたって疼痛の有病率が調べられており、発症から時間が経過するほど、疼痛が自然に消失
する割合は減少することが示されている(図3)31。

12