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03 資料1-1 帯状疱疹ワクチンファクトシート (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40826.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第26回 6/20)《厚生労働省》
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人であった。ドイツで行われた死亡率に関する調査では、50 歳以上で帯状疱疹に関連した死亡例は年間
に平均 66 人で、その死亡率は 0.21(0.16~0.26)/10 万人・年と報告された。また、オーストラリアでは
50 歳以上の死亡例で帯状疱疹が診断名として記録されていたのは 129 人であり、死亡率は 0.27/10 万人・
年と報告されている。スウェーデンの調査では、50 歳以上の死亡率は男性で 0.26/10 万人・年、女性で
0.67/10 万人・年であった。
予防接種の目的と導入により期待される効果、安全性
製造販売承認されている製剤
2016 年 3 月に、一般財団法人阪大微生物病研究会(阪大微研)の乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」®
の効能・効果に、
「50 歳以上の者に対する帯状疱疹の予防」が追加され、国内での帯状疱疹ワクチン接種
が可能になった。海外では、阪大微研の乾燥弱毒生水痘ワクチンと同じ Oka 株を元に作製されている弱
毒生帯状疱疹ワクチン ZOSTAVAX®が発売されており、同等の有効性が期待できると考えられている。
2018 年 3 月には、グラクソ・スミスクライン(GSK)社の乾燥組換え帯状疱疹ワクチン Shingrix®が、50
歳以上の者に対する帯状疱疹予防を効能効果として製造販売承認された、このワクチンは、VZV ウイル
ス粒子の表面タンパク質の一つである glycoprotein E(gE)とアジュバント AS01B を組み合わせた組換え
サブユニットワクチンであり、2023 年 6 月に帯状疱疹罹患リスクが高い 18 歳以上の者に適用が拡大され
た。
効果
帯状疱疹ワクチン接種の目的は帯状疱疹の発症のリスクを低減させ、重症化を予防することである。米
国における 60 歳以上を対象に行ったメルク社の弱毒生帯状疱疹ワクチン ZOSTAVAX®の帯状疱疹発症予
防効果を調べた研究では、帯状疱疹発症、PHN 発症、疾病負荷が、それぞれ 51.3%、66.5%、61.1%減少
したと報告されている。また、別の研究では、ワクチン接種群の帯状疱疹発症阻止効果は 69.8%であった。
わが国における 50 歳以上を対象にした阪大微研の乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」®1 回接種後の帯状
疱疹および PHN の予防効果はそれぞれ、27.8%および 73.8%であった。GSK 社乾燥組換え帯状疱疹ワク
チン Shingrix®の有効性については、50 歳以上、70 歳以上を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検群
間比較試験の報告(観察期間中央値約 3 年)で、帯状疱疹予防効果はそれぞれ 97.2%、89.8%であった。
また、両試験の 70 歳以上の参加者を合わせたプール解析では、帯状疱疹予防効果 91.3%、PHN 予防効果
88.8%であった。米国で 50 歳以上を対象にした電子健康記録に基づく後方視的調査では、帯状疱疹に対
するワクチン効果は 83.5~85.5%であった。米国の 65 歳以上を対象にした調査では帯状疱疹および PHN
に対するワクチン効果はそれぞれ 70.1%および 76.0%であった。
持続性
ZOSTAVAX®接種後の発症阻止効果の持続性については、接種後 4~7 年間では帯状疱疹発症と PHN 発
症が、それぞれ 39.6%、60.1%減少し、疾病による死亡や損失した生活の質を示す疾病負荷は 50.1%減少
することが明らかにされた。また、接種後 7~11 年間では、帯状疱疹発症と PHN 発症が、それぞれ 21.1%、
35.4%減少し、疾病負荷が 37.3%減少したと報告されている。さらに、60 歳以上を対象とした研究では、
ワクチン接種後 1 年以内の帯状疱疹発症阻止効果はワクチン非接種者と比較して 68.7%で、接種 8 年目
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