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03 資料1-1 帯状疱疹ワクチンファクトシート (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40826.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第26回 6/20)《厚生労働省》
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2)重症帯状疱疹の治療
通常、重症帯状疱疹に対しては、アシクロビルの点滴静注療法がなされる。アシクロビル静注投与方法
は以下の通りである。
(ア) 通常、成人にはアシクロビルとして 1 回体重 1 kg あたり 5 mg を 1 日 3 回、8 時間毎に 1 時間以
上かけて、7 日間点滴静注する。なお、脳炎・髄膜炎においては、必要に応じて投与期間の延長・増量
が可能である。ただし、投与量の上限は 1 回体重 1 kg あたり 10 mg までである。
(イ) 通常、小児には、アシクロビルとして 1 回体重 1 kg あたり 5 mg を 1 日 3 回、8 時間毎に 1 時間
以上かけて、7 日間点滴静注する。なお、必要に応じて増量できるが、上限は 1 回体重 1 kg あたり
20 mg までである。さらに、脳炎・髄膜炎においては、投与期間の延長も可能である。
(ウ) アシクロビルは腎臓から排泄されることから、腎機能不全患者や高齢者においては投与法にお
いて注意を要する。本剤への曝露量が増加した場合に、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性
が高いため、腎機能不全患者や高齢者では投与間隔、投与量を調節して慎重に投与する。
また、臓器移植患者(造血幹細胞移植を含む)や抗腫瘍薬による治療、免疫抑制剤投与を受けている帯
状疱疹患者、PHN の発症リスクが高い帯状疱疹患者、皮膚以外の合併症(中枢神経系合併症、末梢神経
系合併症、ラムゼイ・ハント症候群、運動神経麻痺等)を認める帯状疱疹患者、三叉神経第一枝領域の帯
状疱疹患者は入院加療が考慮されることがある 22。
合併症を認める場合は、病態に対する治療の必要性から、関連する診療科とともに治療が行われる。例
えば、脳炎、脳脊髄炎、眼合併症、顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)
、三叉神経領域の帯状疱疹、
末梢神経合併症(胸髄神経領域に発症した場合の腹筋麻痺、仙髄神経領域に発症した場合の排尿障害や排
便障害、頸神経に合併した場合の上肢麻痺など 22、PHN などが挙げられる。眼部帯状疱疹患者は直ちに
眼科専門医の診察を受けながら、抗ウイルス薬療法を実施することが必要である。
3)補助療法
(ア) コルチコステロイドの経口投与
経口コルチコステロイド投与には、抗ウイルス薬による治療と合わせて投与すると、症状の低減効果が
認められると報告されているが、PHN の発症予防効果は認められない 91,92。コルチコステロイドを投与
する場合には、50 歳以上の患者を対象としたり、糖尿病などを基礎疾患として罹患している患者へ投与
したりする場合には、より細心の注意を払う必要がある。
(イ) 鎮痛剤投与
鎮痛剤投与は初期から積極的にアセトアミノフェンや、非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)による治
療がなされることが多い。ただし、高齢者に投与する場合や、NSAIDs の投与には副作用についての考慮
が必要である。
疼痛のコントロールが困難な場合には、必要に応じてオピオイド系鎮痛剤の投与がなされる場合があ
る。なお、各製剤による重篤な副作用には注意が必要であり、併用禁忌・併用注意の薬剤が複数存在する
ため、使用に際しては十分な注意が必要である。
(ウ) 三環系抗うつ薬
一部の三環系抗うつ薬の投与により、PHN の軽減効果が認められている 93。

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