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03 資料1-1 帯状疱疹ワクチンファクトシート (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40826.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第26回 6/20)《厚生労働省》
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1. 帯状疱疹の基本的知見
(1)はじめに
水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster virus:VZV)は初感染後、生涯にわたって脊髄後根神経節(知
覚神経節)
、脳神経節に潜伏感染する。潜伏感染細胞は主に神経細胞であるが、一部サテライト細胞にも
潜伏する。潜伏感染しているVZVが、加齢、疲労、ストレス、悪性腫瘍、免疫抑制状態等をきっかけとし
て再活性化し、帯状疱疹を引き起こす1,2。VZVの再活性化には様々な研究成果が発表されているが、VZV
に対する特異的な細胞性免疫の低下が関与すると報告されている3,4,5。
水痘罹患歴のある人では約10~30%が生涯に一度は帯状疱疹を発症する6,7。また、85歳の人の約50%が
帯状疱疹の罹患歴を有しているという報告もある8。1997年から2011年に宮崎県で実施された帯状疱疹の
大規模調査では、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定された9。
性差に関しては、同等 1 という報告もあるが、一般的に女性の罹患率が高い 8。50 歳以上の成人を対象
として 2008 年から 2009 年に日本で実施された疫学研究では、帯状疱疹全体の罹患率は 10.9/千人・年で
あるが、男性の罹患率 8.5/千人・年に対して、女性の罹患率は 12.8/千人・年と高く、年齢、帯状疱疹の
既往を調整したハザード比は 1.5(95%信頼区間(confidence interval:CI): 1.2~1.8)5 と報告されている。
日本では 1987 年に水痘の予防として乾燥弱毒生水痘ワクチンが製造販売承認され、2014 年 10 月に予
防接種法に基づく定期接種に導入されたが、定期接種導入前の接種率は 30~40%程度で、毎年 100 万人
規模の水痘の流行を繰り返してきた。予防接種法に基づく感染症流行予測調査によると、成人の VZV に
対する抗体保有率(酵素抗体法:EIA 法による。4.0 以上で抗体保有と考える。
)は 90%以上と報告され
(図 1)10、日本の成人のほとんどが VZV に既感染で、帯状疱疹の発症リスクを有している。水痘ワクチ
ンの定期接種化により 2015 年以降、小児の水痘患者数が大きく減少している(図 2)
。VZV 既感染者に
とって、水痘患者との接触による VZV に対する免疫のブースター(増強)の機会が減少することで、帯

小児科定点あたり報告数(人/週)

状疱疹患者が増加する可能性が推測され 11、帯状疱疹の疫学の動向が注目されている。



図 1. VZV に対する抗体保有率

図 2.
別推移

感染症発生動向調査

小児科定点あたり水痘患者報告数の診断週

1999 年第 14 週~2023 年第 52 週(2024 年 2 月 27 日現在)

1999 年第 14 週~2023 年第 52 週(2024 年 2 月 27 日現在)

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