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03 資料1-1 帯状疱疹ワクチンファクトシート (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40826.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第26回 6/20)《厚生労働省》
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て体重 40 kg 以上の小児には 1 回 1,000 mg を 1 日 3 回経口投与、7 日間)で治療する。
なお、日本では製造販売承認されてはいないが、ブリブジン(125 mg/回、1 日 1 回,7 日間)による治
療でも効果が認められ、いくつかの国で使用が認められている。
上記の抗ウイルス薬(アシクロビル 76-81、バラシクロビル 82、ファムシクロビル 83-85、ブリブジン 86 等)
投与による治療により、ウイルス排出期間の短縮、新規皮膚病変の出現抑制、皮膚病変の治癒の促進効果
が得られる。また、これらの抗ウイルス薬による治療を行うことで疼痛期間の短縮と重症度の低減効果が
得られることが明らかにされている。すなわち、QOL の向上にも繫がる。
ファムシクロビルの帯状疱疹の治療効果を調べる研究 85 では、治療群とプラセボ群における疼痛が治
まるまでの期間が、それぞれ 63 日と 119 日であったと報告されている。バラシクロビルにもファムシク
ロビルと同様に PHN 予防効果が認められ、その効果はアシクロビルのそれよりも高いと報告されている
82。

抗ウイルス薬による治療効果を得るには、投与開始は発症初期ほど効果が高いため、皮疹出現後 3 日
(72 時間)以内の早期投与がなされることが望ましい 22。遅くとも 5 日以内に投与を開始する。発症後
5 日以降であっても新規病変が出現している場合、皮膚以外の合併症(運動神経、中枢神経、眼病変など)
を伴う場合、PHN 発症リスクが高い場合には抗ウイルス薬投与が考慮されるべきである 22。PHN は知覚
神経の損傷により引き起こされることから、より早期に抗ウイルス薬投与を開始することが PHN を予防
するためにも重要である。
アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルは安全で有効な薬剤であるが、腎臓から排出される
薬剤であるため腎機能不全患者やクレアチニンクリアランス(Ccr)が低下している高齢者においては投
与法において注意を要し、Ccr に応じて投与間隔、投与量を調節する必要がある。なお、日本で製造販売
承認されていないブリブジンによる治療においては細心の注意が必要であり、それはブリブジン投与に
より 5FU の排出が阻害され、5FU の血中濃度が高まり、それによる副作用が増強されることがあること
である。5FU 投与を受けている患者にブリブジンを投与してはならない 87,88。
バラシクロビルおよびファムシクロビルによる帯状疱疹に対する効果はアシクロビルのそれよりも高
く、バラシクロビルおよびファムシクロビルの場合 1 日の投与回数が 3 回とアシクロビルのそれよりも
少ない。ファムシクロビルはアシクロビルに比べて VZV 感染細胞内でのペンシクロビル三リン酸の半減
期が 10 倍以上長いと報告されている 22。
また、アシクロビルやペンシクロビルとは作用機序が異なる新規薬剤として、2017 年にアメナメビル
が製造販売承認された。アメナメビルは、ヘリカーゼ/プライマーゼ複合体の酵素活性を阻害することに
より、二本鎖 DNA の巻き戻し及び RNA プライマーの合成を抑制し、抗ウイルス作用を示す 89。国内帯
状疱疹患者を対象とした第 III 相臨床試験 90 では、投与後 4 日までに新皮疹形成が停止した被験者の割合
が、アメナメビル錠 400 mg(200 mg1 回 2 錠、1 日 1 回投与)投与群とバラシクロビル塩酸塩 3,000 mg
(500 mg1 回 2 錠、1 日 3 回投与)投与群との間で差がないことが示された。アメナメビルは、主に糞便
中に排泄され、クレアチニンクリアランスに基づく用量調整が設定されていないことや、1 日 1 回(経口
投与)の服用で済むことが、腎機能が低下している高齢者にとっても使用しやすいという特徴がある。成
人の帯状疱疹患者は、通常 1 日 400 mg を7日間服用するが、小児は服用対象とされていない。またアメ
ナメビルが主に CYP3A で代謝されることから、CYP3A を誘導するリファンピシンとの併用は禁忌とな
っている。
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