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03 資料1-1 帯状疱疹ワクチンファクトシート (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40826.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第26回 6/20)《厚生労働省》 |
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(エ) 神経ブロック
神経ブロックを実施することで、PHN を軽減する効果が得られるが、薬物療法の補助的療法として適
応を考える。特に激しい PHN は神経ブロックによる治療で軽減化される 1。
4)帯状疱疹に関する教育
患者に対して帯状疱疹に関する基本的事項、VZV の他者への感染予防法、適切な治療計画などについ
て適切に説明することが大切である。皮膚病変の細菌性二次感染症を予防するための病変の適切なケア
(病変を乾燥させるなど)などの詳細な治療法についても説明する必要がある。さらに、PHN などの合
併症により比較的長い治療期間を要する場合があることから、帯状疱疹患者への精神的なサポートも大
切である。
⑤ 予防法
水痘ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)及び VZV 膜糖蛋白 E(glycoprotein E;gE)をアジュバント
と共に免疫するサブユニットワクチン(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)を、50 歳以上の人は帯状疱疹予
防として接種することができる。更に、乾燥組換え帯状疱疹ワクチンは、2023 年 6 月から、
「帯状疱疹に
罹患するリスクが高い 18 歳以上の者」に適用拡大された。また、より高い安全性を求めて水痘ワクチン
を熱処理した不活化ワクチン等について、実用化に向けた臨床試験が行われている 94,95。これらの製剤に
ついては後述する。
(3)国内の疫学状況(及び諸外国の状況、国内との比較)
①
患者数および罹患率
帯状疱疹の発生には、先行して水痘帯状疱疹ウイルスの感染を伴うが、国内では 2014 年 10 月に小児
に対して水痘ワクチンが定期接種に導入されたことにより小児における水痘患者数の減少がみられてい
る。2005 年から 2022 年までの JMDC Claims Database(疫学レセプトデータ)による解析によると 2014
年の小児における水痘ワクチンの定期接種導入以降、水痘罹患率(45.6%減少[95 %CI: 32.9~56.0]
)
、抗
ウイルス剤使用率(40.9%減少[95 %CI: 25.1~53.3]
)、および関連する医療費(48.7 %削減[95 %CI: 38.2
~57.3]
)が減少した。さらに COVID-19 に対する感染予防対策は、水痘罹患率(57.26%減少[95%CI: 44.5
~67.1]
)
、抗ウイルス剤使用率(65.76%減少[95%CI: 59.7~70.8])
、および医療費(49.1%削減[95%CI:
32.7~61.6]
)を抑制した 96。感染症発生動向調査小児科定点報告においては、2000 年から 2011 年の期間
は定点あたり平均 81.4 人/年の報告であったが、定期接種化直後の 2015 年には定点あたり 24.7 人/年と減
少し、2020 年は定点あたり 10.6 人/年まで減少した(https://www.niid.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicellaidwrs/10892-varicella-20220113.html)
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神経ブロックを実施することで、PHN を軽減する効果が得られるが、薬物療法の補助的療法として適
応を考える。特に激しい PHN は神経ブロックによる治療で軽減化される 1。
4)帯状疱疹に関する教育
患者に対して帯状疱疹に関する基本的事項、VZV の他者への感染予防法、適切な治療計画などについ
て適切に説明することが大切である。皮膚病変の細菌性二次感染症を予防するための病変の適切なケア
(病変を乾燥させるなど)などの詳細な治療法についても説明する必要がある。さらに、PHN などの合
併症により比較的長い治療期間を要する場合があることから、帯状疱疹患者への精神的なサポートも大
切である。
⑤ 予防法
水痘ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)及び VZV 膜糖蛋白 E(glycoprotein E;gE)をアジュバント
と共に免疫するサブユニットワクチン(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)を、50 歳以上の人は帯状疱疹予
防として接種することができる。更に、乾燥組換え帯状疱疹ワクチンは、2023 年 6 月から、
「帯状疱疹に
罹患するリスクが高い 18 歳以上の者」に適用拡大された。また、より高い安全性を求めて水痘ワクチン
を熱処理した不活化ワクチン等について、実用化に向けた臨床試験が行われている 94,95。これらの製剤に
ついては後述する。
(3)国内の疫学状況(及び諸外国の状況、国内との比較)
①
患者数および罹患率
帯状疱疹の発生には、先行して水痘帯状疱疹ウイルスの感染を伴うが、国内では 2014 年 10 月に小児
に対して水痘ワクチンが定期接種に導入されたことにより小児における水痘患者数の減少がみられてい
る。2005 年から 2022 年までの JMDC Claims Database(疫学レセプトデータ)による解析によると 2014
年の小児における水痘ワクチンの定期接種導入以降、水痘罹患率(45.6%減少[95 %CI: 32.9~56.0]
)
、抗
ウイルス剤使用率(40.9%減少[95 %CI: 25.1~53.3]
)、および関連する医療費(48.7 %削減[95 %CI: 38.2
~57.3]
)が減少した。さらに COVID-19 に対する感染予防対策は、水痘罹患率(57.26%減少[95%CI: 44.5
~67.1]
)
、抗ウイルス剤使用率(65.76%減少[95%CI: 59.7~70.8])
、および医療費(49.1%削減[95%CI:
32.7~61.6]
)を抑制した 96。感染症発生動向調査小児科定点報告においては、2000 年から 2011 年の期間
は定点あたり平均 81.4 人/年の報告であったが、定期接種化直後の 2015 年には定点あたり 24.7 人/年と減
少し、2020 年は定点あたり 10.6 人/年まで減少した(https://www.niid.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicellaidwrs/10892-varicella-20220113.html)
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