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資料1-2 早期導入を要望する医療機器等に関する要望書【No.2024-1】 (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42226.html
出典情報 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会(第38回 8/9)《厚生労働省》
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(別添様式1)
ざまな方法」には、迷走神経刺激療法と頭蓋内深部刺激療法しか存在しない。迷走神経刺激療法による発
作消失率は数%であり、約 50-60%の患者は 50%以上の発作軽減が得られるものの、発作減少効果としては
不十分である 6 25。また頭蓋内深部刺激療法(DBS)については、刺激による鬱症状や記憶障害、睡眠障害等
の副作用が報告されている。また最近発表された市販後実臨床成績(MORE registry:2 年~5 年フォロー
アップ)では、同一患者群ではない研究内容を比較することには課題があるものの、発作減少率において臨
床試験結果と差があり、患者選択(患者 IQ、焦点部位)や施設における DBS 手術の経験が臨床成績に影響し
うる可能性が指摘されている 13。機能面においても、バッテリー寿命が 4-5 年であり刺激装置植込みの為
の再手術回数が多くなること、発作毎の脳波記録が行われず脳波の活用が限定的であることなどに課題が
ある
このような対象患者群に対して、本装置を用いた治療は、米国の臨床試験で 1 年で 44%、2 年で 53%の
発作頻度減少をもたらしている36。さらに近年発表された市販後の多施設共同研究 9 の結果では、発作軽減
率は、1 年時点で 67%、2 年時点で 75%、3 年時点で 82%であり、レスポンダー率(発作が術前の 50%以下に低
下した患者)の割合は 1 年時点で 66%、2 年時点で 77%、3 年時点で 84%であった。治験 16 及び市販後の多施
設共同研究において 9 の両方において 30%は迷走神経刺激療法を行ってきた患者である。また、両側性側
頭葉てんかんなど、てんかん焦点切除手術を施行した場合には著しい記憶障害を来すリスクのある患者で
も、切除を行わないために記憶障害を恐れることなく両側の治療が可能で、高い有効性を示しており、そ
の臨床的効果はきわめて大きいものと予測される。
以上、本治療法は、薬剤抵抗性てんかんに対して、切除に伴う脳機能障害のリスクを冒すことなく、発
作減少効果を有することが米国臨床試験で示されており、本邦においても医療上の有用性が大いに期待で
きるものである。

(欧米未承認医療機器等の場合は、要望品目の安全性について記載してください。)
米国承認済みの為、該当せず

5-2.

適応疾病の重篤性



生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)



病気の進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患



その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患であること

【根拠】
てんかん発作は、発作中の一時的な身体機能、脳機能の停止や異常による身体受傷や昏迷をもたらすだけ
でなく、発作の発生を予測することはできないために、患者の日常生活や社会生活は著しく阻害される。
さらに平均寿命も短縮することが知られている。このようなてんかんに伴う障害についてはすでに多くの
研究がなされ、世界保健機構(WHO)でも 2015 年にはあらためて重点課題として取り上げられ、WHO は
2022 年 5 月 27 日の総会において,領域横断的なてんかんと神経疾患の世界的行動指針 IGAP:
intersectional treatment plan on epilepsy and other neurological disorders)を採択、加盟国に対してて
んかんの啓発、診療へのアクセス、てんかん診療の質の向上を求めている37。
特に、薬剤抵抗性てんかんは、現在使用可能な抗てんかん発作薬では発作を消失させることができず、
また新規に開発される抗てんかん発作薬の効果も期待できない可能性が高い。根治的なてんかん焦点切除
術が一部の患者に有効だが、脳切除に伴う機能障害のリスクがあり、また外科治療の認知度が不十分なた

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